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研究部門の文書を実験・検査データなどと統合管理するクラウドサービス、横河電機が発売

DIGITAL X 編集部
2023年9月19日

産業用計測器などを製造・販売する横河電機は、研究部門の文書を電子化し実験データなどとともに統合管理するためのクラウドサービスを2023年7月下旬に提供を開始した。2023年6月22日に発表した。

 横河電機の「OpreX(オプレックス) Informatics Manager」は、ライフサイエンスや化学業界などの研究開発部門が使用する文書を、実験・検査データなどとともに管理するためのLIMS(Laboratory Information Management System:ラボラトリー情報管理システム)のクラウドサービス(図1)。文書に研究室や実験室(R&D)のデータを紐づけることで、品質管理・検査部門による解析やレポート作成などにも利用できるようにする。2023年7月下旬から提供している。

図1:「OpreX Informatics Manager」の研究室管理者用ダッシュボードの画面例

  OpreX Informatics Managerの主な機能は、(1)ドキュメント管理、(2)プロジェクト管理、(3)テンプレートの3つ。ドキュメント管理では、文書と関連する実験・検査データを紐づけてクラウド上に保存する。文書・図表の作成やデータのインポート、文書の承認が可能になる。KPI(重要業績評価指標)や社員のワークフローなどを管理するためのダッシュボードを用意する。

 プロジェクト管理では、実験や、標準手順化、文書作成などのタスクについて、いつ、誰が、何を実施したのかを管理する。研究開発部門の管理者は、進ちょく状況をダッシュボードで確認しながら、作業者の能力やスケジュールの空き具合に応じたアサインができるようになる。

 進ちょく状況をクラウド上で管理することで監査証跡としても利用できる。検査部門と共有すれば、検査作業のためのSOP(標準作業手順書)作成などにも利用できるとする。

 テンプレートは、実験から文書化までの手順を作成するための機能。手順は、細分化したブロックを管理画面上でのドラッグ&ドロップによりカスタマイズできる。

 横河電機によれば、研究部門が作成した文書を品質管理・検査部門でも利用したいというニーズがある。従来のLIMSでは、電子化した文書はELN(電子ラボノート)システムなどを経由し他の業務システムと連携させる必要があるという。