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工場の点検業務を自律走行ロボで自動化するサービス、日立プラントサービスらが共同開発へ

DIGITAL X 編集部
2024年6月25日

工場における点検業務を自律走行ロボットを使って自動化するサービスの開発を、日立プラントサービスら3社が共同で開始した。2024年度中の商用化を目指す。ロボットやセンサーで収集したデータを分析し、設備保全に利用できるようにする。2024年5月31日に発表した。

 工場の点検業務を対象に自律走行ロボットを使って自動化するサービスの開発を始めたのは、日立プラントサービスと日立システムズ、ugo(ユーゴー)3社(図1)。ロボットとセンサーで設備保全に必要なデータを取得し、生産停止リスクの低減や緊急時の保守対応、エネルギー使用の最適化などに役立てられるようにする。2024年秋から半導体工場で実運用を始め、2024年度中に商用サービスとして販売する計画だ。

図1:ugoを使用した工場点検作業の自動化

 仕組みとしては、自律走行ロボット「ugo」(ugo製)と各種メーターの数値を読み取る「CYDEEN(サイディーン)メーター自動読み取りサービス」(日立システムズ製)を使ってデータを収集し、それを日立プラントサービスが持つ大規模工場の保守に関するOT(Operational Technology:運用技術)ノウハウを組み合わせて分析し、設備運用の効率を高めるための施策を導き出す。

 Ugoは、事前に設定したルートに則って工場内を巡回し、搭載する環境センサーで温度・湿度などを測定。CYDEENは、計器メーターの値をOCR(光学文字認識)で読み取る。ugoは遠隔でも操作できるが、本体に不具合が生じた際は、日立システムズが全国約300拠点に配置する保守員が修理を支援する。

 収集したデータはグラフにして可視化し、管理者が遠隔から機器の状況を把握できるようにする。練保守員が持つノウハウを学習したAI(人工知能)モデルも作成し、保守計画を立案できるようにもする。

 3社によれば、大規模な製造工場では、若手技術者が減少する中で、特定の技能や専門知識を持つ労働者の高齢化が進み、点検業務における技能の維持・継承が課題になっている。