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中電グループの東海コンクリート工業、電柱の製造工程をIoTで可視化
中部電力グループで電柱などコンクリート製品を製造する東海コンクリート工業は、新設の電柱製造工場における生産管理業務に、IoT(Internet of Things:モノのインターネット)を使った可視化システムを導入した。製造工程の進ちょくをリアルタイムに把握し不適合品を早期に発見するなど品質向上につなげる。システム導入を支援したNTTコミュニケーションズ(NTT Com)が2024年7月4日に発表した。
中部電力グループで電柱などを製造する東海コンクリートが導入したのは、電柱の生産管理業務にIoT (Internet of Things:モノのインターネット)の仕組みを使った進ちょくの可視化システム(図1)。製造工程の進ちょくを管理者がリアルタイムに把握し、検査工程で発見した不具合や問題点を製造工程に伝えることで不適合品の発生を防ぐなど品質向上につなげるのが目的だ。
システムでは、生産ラインや設備を制御するPLC(Programmable Logic Controller:自動制御装置)などのIoTデータや、電柱に取り付けたRFID(ICタグ)の情報を取得・集積。作業員や検査員が記入する進ちょく記録などもタブレットなどを通じて集める。管理者は工場外の事務所などからインターネット経由でPC画面上で工程や品質などを確認できる。
従来、進ちょく記録は紙の帳票や工程表に書き込んでいた。記録のための時間や、それらをまとめるための時間がかかり、管理者が進ちょくを把握までにするのにタイムラグがあった。加えて、製品出荷後の問い合わせ対応などでも、該当する製品の品名や製造日時の特定などに時間がかかっていた。
IoT基盤には「Things Cloud」(NTTコミュニケーションズ:NTT Com製)を導入した。NTT Comはほかに、ICタグ/ICタグリーダーを提供、コンサルティングやシステム構築、現場への実装なども支援した。
中部電力グループは、工場の人手不足や技術継承などの課題に対応するため、スマートファクトリー化に取り組んでいる。東海コンクリート工業での可視化システム導入は、その一環。今後は、生産工程間のデータ連携を図り、生産計画の最適化につなげたい考え。将来的には、ロボットやAI(人工知能)技術などを使った高度化を模索する。
企業/組織名 | 東海コンクリート工業 |
業種 | 製造 |
地域 | 三重県いなべ市(本社) |
課題 | 不適合品の発生を抑えると同時に、出荷後の問い合わせ対応時に品名や製造時期を早期に特定したい |
解決の仕組み | 生産工程にIoTシステムを導入するとともに、紙にまとめていた記録内容もデジタル化することで、管理者が製造工程をリアルタイムに把握できるようにする |
推進母体/体制 | 東海コンクリート工業、NTTコミュニケーションズ |
活用しているデータ | 生産装置やPLCからのIoTデータ、製品に取り付けたRFID(ICタグ)のデータ、タブレットに入力する生産記録など |
採用している製品/サービス/技術 | IoT基盤「Things Cloud」(NTTコミュニケーションズ製)、RFIDタグ |
稼働時期 | -- |