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IoTデバイスの制御用アプリの開発・実行基盤サービス、ソラコムが24年秋に開始

ANDG CO., LTD.
2024年7月25日

IoT(Internet of Things:モノのインターネット)デバイスを制御するためのアプリケーションの開発・実行基盤サービスを、ソラコムが2024年秋から開始する。IoTデータを生成AI(人工知能)などで分析した結果に基づく制御を可能にする。サービス開始に先立ち無償版の提供を始めている。2024年7月17日に発表した。

 ソラコムの「SORACOM Flux」は、IoT(Internet of Things:モノのインターネット)デバイスの制御用アプリケーションの開発・実行基盤(図1)。各種の生成AI(人工知能)と連携し、IoTデータの分析結果に基づいてIoTデバイスを制御するアプリケーションをローコードで開発でき、ソフトウェア開発の専門知識がなくても、ビジネスや現場のニーズに合った仕組みを構築できるという。

図1:「SORACOM Flux」上で開発するIoTデバイスの制御用アプリケーションの構成イメージ

 想定するアプリケーションの一例として、工場や倉庫に設置した監視カメラによる異常検知を上げる。カメラ画像を生成AIにより分析し、「異常を検知すれば現場にある警報灯を鳴らす」といった制御アプリケーションをSORACOM Flux上で開発し実行する。

 具体的には、センサーやカメラなどのデバイスから送られる数値データや画像データを対象に、検知すべき項目や結果の出力指示を生成AIに対するプロンプトとして自然言語で記述し、分析結果を取得する。アプリケーション開発者はコンソールから、外部アプリケーションに連携するためのルールを記述する。

 対応する生成AIモデルは、「GPT-4o」(米OpenAI製)や「Gemini」(米Google製)など。「Microsoft Azure」(米Microsoft製)や「Amazon BedRock」(米AWS製)などが提供するLLM(Large Language Model:大規模言語モデル)も選択できる。複数のデータソースや生成AIを組み合わせた分析・判断も可能だとしている。

 イベント発生時に次の処理を実行するためのトリガーに設定できる項目には以下のようなものがある。(1)デバイスからSORACOMへのリクエストの送信、(2)ファイルストレージ「Harvest Files」(ソラコム製)へのファイルの保存・更新・削除、(3)API(アプリケーションプログラミングインタフェース)を使ったリクエストの送信、(4)タイマーによる時間や時間間隔の経過などだ。

 トリガーに対して、各種AIサービスや簡易物体検知サービスなどの呼び出しを設定する。外部にデータや通知を送信するWebhookに対応するほか、「Slack」(米Salesforce製)や「LINE」(LINE製)などのコミュニケーションツールやメール通知なども設定できる。

 全機能を提供する有償版は2024年秋から提供する。それに先立ち、無償版を2024年7月17日から提供している。無償版では、200リクエストまで、アプリケーション数は3、イベント数は1日300イベントまでの制限がある。SORACOMのユーザーアカウントの保有が利用条件になる。

 ソラコムによれば、ビジネスにおけるIoT(Internet of Things:モノのインターネット)データの活用が進む中、データソースやデータ形式を組み合わせながらAI技術で分析・判断し、その結果に基づきIoTデバイスを制御するような仕組みへのニーズが高まっている。