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工場やビルをデジタルツインを使って遠隔監視・点検するサービス、NSWが開始
工場やビルなどの設備の稼働状況を遠隔から監視・点検するサービスをNSWが2024年9月2日に開始した。IoT(Internet of Things:モノのインターネット)データなどを基にしたデジタルツインを構築し、異常時には発生箇所を早期に特定し設備の停止時間を短縮する。同日に発表した。
NSWの「ZeugMa(ジーグマ)」は、工場やビルなどで稼働する設備の状況を遠隔から監視・点検するためのサービス(図1)。設備に設置したIoT(Internet of Things:モノのインターネット)データなどを基に工場やビルのデジタルツインを構築し、巡回点検に伴う業務の効率を高めるとともに、異常時の早期対応を可能にし、設備のダウンタイム削減を図る。
ZeugMaでは、3D(3次元)データのキャプチャーツール「Matterport」(米Matterport製)を使って、工場やビルのデジタルツインを構築し3Dの仮想空間を作り出す。そこに、照明や空調、エレベーターなどの設備をIoTの仕組みでモニタリングし、各種設備の稼働状況をリアルタイムに表示したり、エネルギーの使用量を可視化したりする。アナログメーターなどに対しては、AI(人工知能)カメラ「LiLz Gauge」(LiLz製)を使って指針を読み取り数値をデジタル化する。
画面上で施設内を巡回し点検が必要な設備の状況を確認する。仮想空間にある各設備には、プロットを表示し温度・湿度などを確認できるほか、プロットを赤色で強調表示し異常設備の視認性を高められる。スマートグラス「realwear」(米realwear製)を使えば、管理者と現場にいる作業員が連絡を取り合うこともできる。
自然災害や火災といった緊急事態時には、現場の温度変化をリアルタイムで検知し、安全に避難できる経路の策定にも活用できるとする。設備のレイアウト変更においては、実際の搬入前に重機や機器の寸法を仮想空間で確認すれば、現地で確認するコストを削減できるとする。
今後は、監視カメラや自動巡回点検ロボットとの連携にも対応する予定である。