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データやアナリティクス、AIがビジネス成果に与える影響の測定が最大の課題、ガートナーの調査
「担当役員の30%がデータ分析やAI(人工知能)技術がビジネス成果にもたらす影響を測定できていないことを最大の課題に」--。こんな調査結果を米ガートナーが2025年2月20日(現地時間)に発表した。評価指標を運用できている組織は22%だった。
米ガートナーの『最高データ/アナリティクス責任者(CDAO)サーベイ』は、世界のCDAO(Chief Data/Analytics Officer:最高データ/アナリティクス責任者)とCDO(Chief Data Officer:最高データ責任者)、およびCAO(Chief Analytics Officer:最高アナリティクス責任者)の504人を対象に、2024年9月~11月に実施された調査。
同調査によると、過去12〜18カ月において、D&A(データ/アナリティクス)を担当するCDAOらの90%以上が優先事項に「データによって生み出す価値および成果」を挙げており、今後も関心事項であり続けるとみられる。
一方でCDAOらの30%が「データ分析やAI(人工知能)技術がビジネス成果にもたらす影響を測定できていない」ことを最大の課題に挙げる。ただ、D&Aのユースケースの大部分に対して「ビジネス成果に関する評価指標を定義・追跡・共有している」とする組織は22%だった。
こうした結果について、Gartnerのシニア ディレクター アナリストのマイケル・ギャバード氏は、こう提案する。
「組織は、意思決定とオペレーションの効率を向上させるために、強固なD&A戦略をますます必要とするようになっており、その策定がD&Aリーダーに求められている。CDAOは、意思決定を中心に据えたデータドリブンのビジョンを加速させる必要がある。そのためには、重要なトレンドを早期に発見し、十分な情報に基づいて積極的にD&A戦略に関する意思決定を下し、意思決定の背景にある推進要因を盛り込んだ運用上の文脈の構築が求められる」
実際、CDAOの91%は「実行可能なD&A戦略の策定が主な責務である」と考えている。ただ、この点についてギャバード氏は、「3分の1以上のCDAOがオペレーティングモデルの確立と進化を主な責任として認識しておらず、計画と実行の間には永続的なギャップが見られる」と指摘する。
「多くの組織がデータの価値について語りデータドリブンでありたいと望むなど、データの価値に関する多大な期待を抱いている。だが、それを実証できる組織はごくわずかだ。他の組織より優れた成果を発揮している組織は多くの場合、データを主要なテーマとして利害関係者と一致団結して取り組んでいる」(ギャバード氏)という。