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ERPシステムの業務プロセスを生成AIなどで改善するツール群、インフォアジャパンが発売
ERP(Enterprise Resource Planning:企業資産計画)システムにおける業務プロセスを生成AI(人工知能)技術などを使って改善するためのツール群の提供を、米Inforの日本法人であるインフォアジャパンが2025年6月3日に開始した。同社製ERPと組み合わせて利用する。同日に発表した。
インフォアジャパンが提供を開始した「Infor Velocity Suite」は、同社製ERP(Enterprise Resource Planning:企業資産計画)システム「Infor Cloud Suite」と組み合わせて、種々の業務プロセスを改善するためのツール群(図1)。プロセスマイニングや生成AI(人工知能)などの技術を使って、課題のあるプロセスを可視化し自動化・最適化などの施策の実行を可能にする。
Infor Velocity Suiteは、(1)診断のための「Infor Process Mining」、(2)自動化のための「Infor Value+」、(3)最適化のための「Infor GenAI」からなる。(1)〜(3)のサイクルを回すことで、業務プロセスの継続的な改善が可能になるとする。
Infor Process Miningは、プロセスマイニング機能を提供し、ERPシステムで実行している業務プロセスを分析し、標準的な業務プロセスからの逸脱やボトルネックを特定する。
Infor Value+は、プロセスマイニングによって特定した箇所を生成AI技術やRPA(Robotic Process Automation)による自動化を可能にする。既存の手作業を自動化する「Enterprise Automation」や、分析・レポート作成の「Insights」、利用者の役割に応じた重要な情報とアクションを集約する「Advanced Workspaces」などがある。これらは業界特化型のライブラリーとして、ツールカタログ「Infor Value+」経由で提供する。ライブラリーの導入ステップを示すシナリオも用意する。
Infor GenAIは、業務プロセスに組み込むための生成AIである。コメントの生成や文書の要約、行動分析、翻訳などの機能を各プロセスに付加できる。
Velocity Suiteを先行導入した造船業の米Xpress Boatsの情報システムマネージャーであるジェニファー・テリー氏は「船をより早く届けられれば、顧客は家族や友人と水上での時間をより楽しめる。この目標を継続的に達成するために当社は、Infor Process Miningを使ってビジネスプロセスを迅速かつ正確に最適化を図っている。プロセス上の問題を自動的に特定することで、是正措置をより迅速に講じられ、納期遵守を改善するとともに、緊急配送コストを50%削減した」としている。