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SAP環境へのデータ分析やAI活用のための環境導入支援サービス、JBSが開始

DIGITAL X 編集部
2025年6月9日

独SAP製のERP(Enterprise Resource Planning:経営資産計画)システム環境に対し、データ分析やAI(人工知能)技術の活用を強化するための環境を併設する支援サービスを日本ビジネスシステムズ(JBS)が開始した。ERPシステムを標準な状態に保ちながら必要な環境を付加する。計画から設定・構築、運用支援までを専門チームが伴走するという。2025年5月29日に発表した。

 日本ビジネスシステムズ(JBS)が提供を始めたのは、(1)SAP Analytics Cloud導入支援サービスと(2)SAP Business Technology Platform導入支援サービスの2つ。いずれも独SAP製のERP(Enterprise Resource Planning:経営資産計画)システムを対象に、データ分析やAI(人工知能)技術の活用を強化するための環境を付加するためのサービスだ。

 SAP Analytics Cloudは、SAPが提供するBI(Business Intelligent)機能のクラウドサービス。「SAP HANA」や「SAP S/4HANA」のほか「Google Big Query」(米Google製)などのデータソースを対象にリアルタイムでのデータ分析・可視化を可能にする。

 JBSは、テンプレートを使いながら、経営者や現場の担当者などのそれぞれが必要とするレポートや画面を必要なデータを定義したうえで、レポートや画面を作成する。データソースが複数ある場合は、データを集約するデータウェアハウスを「SAP Datasphere」を使って構築もする。

 一方のSAP Business Technology Platform(BTP)導入支援サービスは、SAPの統合基盤「SAP BTP」の導入を支援するもの。SAP S/4HANAなどの標準機能に適合しないプロセスを統合したりAI技術活用やデータ分析のための機能をクラウドベースで提供する。

 JBSは、SAP BTP導入に向けた要件をまとめたうえで、利用企業が独自に必要とする機能を開発・利用できるようにする。ERPを段階的あるいは部分的にパブリッククラウドへ移行する際の、システム連携やデータ整合、拡張性の確保などにも対応できるとしている。

 JBSはSAPの導入・運用保守に20年間、携わってきた。両サービスでは、その間に得た経験と製品知識を使い専門チームが伴走し、ERPが持つ標準機能を活かしながら、必要が機能を実現していくという。

 JBSによれば、企業の経営環境が複雑さを増すなかで、迅速な経営やシステムのモダナイゼーション、人材不足と運用負荷軽減、データ活用・AI前提基盤などの理由から、ERPのパブリッククラウドへの移行が進んでいる。そこではERPをカスタマイズせずに「Fit to Standard(業務を標準機能に合わせる)」での導入方法が注目されている。しかし、標準機能への理解不足やカスタマイズ依存文化などによりFit to Standardがうまくいかないケースがある。