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サプライチェーン上の製品情報を国際標準仕様で共有できるサービス、TOPPANエッジが発売

DIGITAL X 編集部
2025年7月17日

サプライチェーン上の製品情報を共有するためのサービスをTOPPANグループのTOPPANエッジが2025年7月9日に発売した。製品情報を国際標準仕様「EPCIS2.0」に沿って管理・共有するのが特徴だ。共有先を制限することもできる。同日に発表した。

 TOPPANグループのTOPPANエッジが提供する「物流サプライチェーンマネジメントシステム」は、サプライチェーン上にある製品情報を企業間で共有するためのサービス。製品情報を国際標準仕様の「EPCIS2.0」に変換し共有するのが特徴だ(図1)。検品作業の削減などに加え、品質管理のためのトレーサビリティーを実現する。サプライチェーン上での高度な品質管理が求められる医療・医薬品業界を中心に、製造や物流、小売り業界に向けて提供する。

図1:TOPPANエッジの「物流サプライチェーンマネジメントシステム」は製品に取り付けたICタグなどの情報を国際標準仕様の「EPCIS2.0」に変換し共有する

 物流サプライチェーンマネジメントシステムでは、対象製品の単品や梱包単位に貼り付けたバーコードやICタグを読み取り、製品がいつ、どこで、どのような状態にあるのかを記録する。センサーを使った温度や振動、気圧などのデータも管理できる。これらデータをEPCIS2.0対応の識別コードに変換し、関連企業間での検索や交換、共有を可能にする(図2)。データの公開先は設定でき、例えばメーカーの出庫情報を卸業者にだけ公開し、競合には非公開にできる。

図2:製品の状態を示す情報を国際標準仕様「EPCIS2.0」に沿って管理し、企業間のやり取りを可能にする

 製品情報は、統合データ基盤「InterSystems IRIS Data Platform」(米インターシステムズ製)を使って管理することで、大量のデータに対応できるとしている。

 今後は、サプライチェーン全体のプロセスを統合的に管理するための機能を追加する予定だという。TOPPANグループは、各種のICタグやラベル、センサー、輸送容器所在管理システム「LogiViewer(ロジビューア)」などを提供している。これらを組み合わせて提案・販売したい考えだ。

 物流サプライチェーンマネジメントシステムの利用料金は、毎月の入荷件数が2000回、ICタグ読み取り数が2万個の場合で1社当たり100万円から。ICタグやリーダーの費用は含まない。2026年度以降は機能を拡充するため都度見積もりになる。物流関連サービスを含め2028年までに約10億円の売り上げを計画している。

 TOPPANエッジによれば、企業活動のグローバル化に伴いサプライチェーンの最適化による各工程の標準化や自動化、効率化が急務になっている。欧州が制度化を進める「デジタル製品パスポート(DPP)」は製品のライフサイクルに沿ったトレーサビリティーの確保を求めている。こうした背景からEPCISに基づく製品情報管理の需要が高まると見込まれている。