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安全管理における危険な行動をカメラ映像から検知・分析するAIサービス、AIソフトウェア開発のACESが開始

ANDG CO., LTD.
2025年10月22日

安全管理業務における危険な行動をカメラの映像から検知・分析するAI(人工知能)サービスを、AIソフトウェアを開発するACESが開始した。転倒や保護具の未着用などを検出し、事故やヒヤリハットの発生を抑止する。2025年10月7日に発表した。

 AI(人工知能)ソフトウェアを開発するACESの「安全管理DXソリューション」は、安全管理業務において危険な行動をカメラ映像から検知・分析するAIサービス(図1)。現場での事故やヒヤリハットの発生を抑え、組織としてのリスク低減につなげられるとする。

図1:AECSの「安全管理DXソリューション」が対象にする安全管理業務の範囲

 安全管理DXソリューションでは、監視カメラの映像をAI技術で解析し危険な行動を抽出する(図2)。転倒やつまずき、保護具の未着用、高所での乗り出し、機械への接近などが検出できるという。重要度や現場条件に応じてアラートを発報し関係者に通知する。検知した内容はデータベースにも蓄積し、拠点や工程、要因別にダッシュボードに表示する。

図2:監視カメラの映像から高所作業者の不安全行動をAIが検出した例

 分析結果をヒヤリハットや危険行動の削減に向けた主要なKPI(Key Performance Indicator:重要業績評価指標)にし教育や安全施策に反映すれば、改善のためのサイクルを継続的に回せ、事後報告型から予防・改善重視型に転換できるとしている。

 画像からの検知精度を高めるために、限られた映像データから種々の行動パターンを認識するために、少量データによる学習技術を開発し特許を取得した。導入初期から実運用レベルの精度が得られるという。

 ACESはこれまでに建設や製造、エネルギーなどの業界で実証実験を進めてきた。それらの実証結果や資産を利用しており、業界や企業、現場の別に異なるリスクや業務特性に応じた最適化ができるとしている。

 同社によれば、日本における労働災害による死亡事故は年間700件を超える。政府は「第14次労働災害防止計画」において、2027年までに死亡災害を2022年比で5%以上減少させる目標を掲げているが、熟練者の退職や人手不足により、安全管理を現場の努力だけでは維持しきれない段階にあり、企業として取り組むべき課題になっている。