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ビルの設備や環境のデータを一元管理する基盤サービス、ソフトバンクとSynapSparkが2026年3月に開始
ビル内のデータを一元的に管理する基盤サービスを、ソフトバンクとグループ会社のSynapSparが2026年3月から開始する。「ビルOS(基本ソフトウェア)」に位置付け、設備の稼働状況やエネルギー使用量を可視化し、最適な制御を可能にする。2025年12月9日に発表した。
ソフトバンクとグループ会社でスマートビルの構築支援を手掛けるSynapSparkが2026年3月から提供する「synapsmart」は、ビル内の空調や照明、防犯カメラ、センサーなどの設備データと、人流や環境などを示すIoT(Internet of Things:モノのインターネット)データを収集し一元管理するためのビル用の基盤サービス(図1)。ビル内の設備や環境の状況を可視化し運用業務を軽減しながら、状況に合わせた制御によりエネルギー消費量を削減する。テナントに対してもデータに基づく室内環境の最適化やスペースの有効活用、人流データを使った販促活動などの付加価値が提供できるとしている。
Synapsmartは、ソフトバンクらが目標にする「Autonomous Building(オートノマスビルディング)」の基盤になるデータ連携基盤である。「ビルOS(基本ソフトウェア)」に位置付け、データに基づいて「自律的に進化するスマートビル」(ソフトバンク)を実現する。
そのために、各種設備の稼働データや、人流・環境などを示すIoTデータなどを一元管理し、ビル全体の状況を可視化すると共に、人流や環境に応じて設備を制御することでビル内環境を最適にしながらエネルギー使用量やCO2排出量の削減につなげる。エネルギー使用量は週次・月次・年次単位でレポートする。
ビルの管理者は、管理画面から状況確認や設備機器の制御が可能になる(図2)。設備トラブルやセンサーからの警報が発せられれば、予め設定した重要度レベルに基づいて判別し、緊急性の高いインシデントだけをオーナーやビル管理者にスマートフォンなどに対して通知する。
新築ビルと既存ビルのいずれにも導入でき、複数のビルや拠点のデータを横断的に管理できる。センサーの増減や、システムや機能の遠隔からの更新もできる。
synapsmartの開発では、ソフトバンクが持つITやデータ基盤に関する技術、および本社ビルである東京ポートシティ竹芝でのスマートシティの取り組みを通して得た知見と、SynapSparkが持つ建築設計と都市開発の専門知識やビル設備・運営に関するノウハウを組み合わせたとする。
今後は、AI(人工知能)技術の利用や、LINEミニアプリなどの外部システムや地域の防災情報や交通情報などとも連携し、機能とサービスの拡充を図る。
synapsmartの販売では、ソフトバンクが法人向けに提供し、SynapSparkが販売および構築・運用支援を担当する。
ソフトバンクによると近年、人手不足や働き方の多様化、エネルギー価格の上昇、脱炭素化などにより、ビルの運営には利用者の快適性・安全性の確保に加え、運営の効率化や環境負荷の低減などが求められている。その解決策としてスマートビルが注目されているが、多くのビルでは設備やシステムが個別に稼働しておりデータ連携が図られておらず、ビル全体の最適な運用が難しい。

