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AIエージェントが外部サービスを利用するためのMCPサーバー構築基盤のベータ版、homulaが提供開始

ANDG CO., LTD.
2025年12月16日

社内外のシステムと接続して動作するAI(人工知能)エージェントを開発するためのMCP(Model Context Protocol)サーバーを構築するための基盤サービスのベータ版の提供を、AI開発を手掛けるhomuraが開始した。各種システムのAPI(Application Programing Interface)仕様や認証方式の違いを吸収し、開発環境が異なるエージェントでも共通に連携機能を利用できるようになるという。2025年12月1日に発表した。

 AI(人工知能)開発を手掛けるHomulaが2025年12月1日に提供を開始したのは「Agens Skills(エージェンス・スキルス)」のベータ版。AI(人工知能)エージェントが社内システムや外部サービスと連携するためのMCP(Model Context Protocol)サーバーの開発・実行基盤である(図1)。接続先のシステムによって異なるAPI(Application Programing Interface)仕様や認証方式の違いを吸収し、複数のAIエージェントからの接続・利用を可能にする。

図1:homulaの「Agens Skills」は AIエージェントが利用する生MCPサーバー機能を提供する

 Agens Skillsは、AIエージェントと外部アプリケーションを接続するためのオープン規格である「MCP:Model Context Protocol」(米Anthropicが策定)を使ったアクセス機能をノーコードで開発・実行できる基盤。接続先ごとに異なるAPI(Application Programing Interface)仕様や認証方式に対応し、AIエージェント側からは同一の仕様で利用できるようにする。実装工数を減らしたり、AIエージェントの開発・実行基盤によっては対応していない連携を可能にしたりする。

 接続対象としては「Microsoft 365」(米Microsoft製)や「Google Workspace」(米Google製)、「SAP」(独SAP製)、「Salesforce」(米Salesforce製)などに対応する。

 Microsoft 365やSAPなどの企業向け主要サービスに対しては、接続用MCPツールをテンプレートにして提供する。これらを営業アシスタント用や経理用など用途別にセットしておけば、AIエージェントに対し複数機能を利用する権限を一括で付与できるという。

 またPDFやExcel形式の社内文書をAgens Skillsに登録すれば、そのままRAG(Retrieval Augmented Generation:検索拡張生成)技術に対応したナレッジベースとして公開でき、AIエージェントが検索・参照できるようになる。

 AIエージェントの開発・実行環境としては、オープンソースの自動化ツール「n8n(エヌエイトエヌ)」やノーコードのAI開発基盤である「Dify」(米LangGenius製)や「LangGraph」(米LangChain製)、「Claude Desktop」(米Anthropic製)などに対応する。一度、接続フローを設定すれば、いずれの基盤からも変更なしに接続フローを利用できるとする。

 今後は、提供を予定する共通MCPゲートウェイ「Agens Control」と組み合わせることで、AIエージェントを統合管理し、異なるAIエージェントから同じアクセス経路とポリシーで業務システムへ接続できるようにするとしている。PoC(Proof of Concept:概念実証)で構築した環境をそのまま事業部や全社に拡張できるという。

 Homulaによれば、AIエージェントの実導入では、アクセス先ごとに異なるAPI仕様や複雑な認証要件、基盤ごとの接続方式の違いよる複数システムの連携が課題になっている。

 Agens Skillsの利用料金は、個人やPoC目的の利用を想定する「スターター」が2万9800円(2週間の無料トライアルあり)。他に部門用の「チーム」と全社用の「エンタープライズ」があるが料金は要問い合わせになる。