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仕組みの異なるデータスペース間で相互接続性を確かめる実証実験、IIJとNTTドコモビジネスが実施
異なるアーキテクチャーで構築されたデータスペース同士をつなぎ、データ主権を保ったまま相互接続性を確かめる実証実験を、IIJ(インターネットイニシアティブ)とNTTドコモビジネスが2026年7月に実施した。マスキングや複製・転送の禁止といった利用制御条件を崩さずに連携する仕組みが検証できたとする。両社が2026年9月10日に発表した。
異なる設計思想を持つデータスペース間で、データ保有者が定めた利用制御条件を保ったままデータを連携する仕組みの実証実験を、IIJ(インターネットイニシアティブ)とNTTドコモビジネスが2026年7月に実施した。社内外の複数の組織や企業間でデータ連携を進めたいと考える事業者が、データ主権を保ったままデータを委ねられる基盤づくりにつなげられるとする。
実証実験では、提供側が予めデータの一部をマスキングし、秘匿化により利用制御条件を付加したファイルを受領側に送信した。受領側はファイルを受信し、複製や転送を禁じる条件が崩されずに正しく反映されたことを確認した。その結果、提供側の意図しない形でデータが扱われるリスクを抑えつつ、データの相互接続性が確保できたとする。
この相互接続性を保つためにIIJは、データ連携制御技術を用いた「データインテグレーションハブ」を基盤として構築した(図1)。ハブの内部には提供者データストアと受領者データストアを配置しており、やり取りするデータを一時的かつ安全に保持する仕組みとした。
IIJ側のデータスペースとしては、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の委託事業「経済安全保障重要技術育成プログラム/ハイブリッドクラウド利用基盤技術の開発」で開発を進めている環境を用いた。
一方のNTTドコモビジネス側のデータスペースには、企業間データ連携の検証のために構築した「データスペース コアサービス」を用いた。同環境は、欧州で普及が進む企業間データ連携向けのオープンソースソフトウェアプロジェクト「Tractus-X(Eclipse Tractus-X)」を基盤としたもので、自動車産業向け「Catena-X」にも対応したコネクターを介して、連携および認証する仕組みとした。
IIJは今後、より安全性と信頼性を高めるデータ連携の実現を目指すとともに、データスペースとAI(人工知能)技術を組み合わせた新たなデータ連携のあり方を検討する。併せて、社会や産業界でのデータ活用の高度化を支援するコンサルティングや、データスペース接続サービスなどの整備・開発にも取り組むとしている。
一方のNTTドコモビジネスは、今回の得た知見を生かし、企業が安全にAI技術とデータを活用するためのサービスを見据えたデータスペースや、認証・認可の仕組み、AIエージェントなどの技術開発を進め、社会実装につなげる考えだ。
AI技術の普及を背景に、企業や組織の枠を超えたデータ連携へのニーズは高まっており、データスペースは国内外で相次いで構築されている。
両社によると、すでに異なるアーキテクチャーを持つ多数のデータスペースが構築されており、連携のために仕様を一本化するのは現実的な解決策とは言いがたい。そのため、データスペースの仕組みを変えずに相互接続性を確保する技術への期待が大きく、多様なデータスペースを横断した共創型のエコシステムの実現にもつながるとしている。
データスペース以前に主流だったデータ連携は、データを含むファイルそのものを共有するというもの。この方法では受領した側がファイル内のデータをどのように複製、加工、転送するかを送信側が規定しづらく、想定外の形でデータが扱われる恐れがあった。
