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AI戦略の日本の勝ち筋、KDDIの高橋会長、グロービスの今野代表パートナー、平 前デジタル大臣が議論

「OPEN INNOVATION SUMMIT 2026」より

宇江山 貴紀(ジャーナリスト)
2026年10月27日

AI(人工知能)技術を巡る米・中両国の資本競争が激化するなか、日本は、どう舵を取るべきか。KDDI 代表取締役会長の高橋 誠 氏、グロービス・キャピタル・パートナーズ 代表パートナーの今野 穣 氏、前デジタル大臣の平 将明 氏が「OPEN INNOVATION SUMMIT 2026」(主催:eiicon、2026年9月11日)に登壇し、今後の成長戦略について意見を交わした。モデレーターはeiicon 代表取締役の中村 亜由子 氏が務めた。

 世界のAI(人工知能)技術の開発競争にあっては、米中が先行し米国では数千億円規模の巨大資本がLLM(Large Language Model:大規模言語モデル)などの開発に投じられている。こうした状況下では「汎用的な基盤モデル領域である『フロンティアAI』で米中の巨大企業と直接競合することは得策ではない」との共通認識が、日本では広がっている。

 2026年9月11日に開かれた「OPEN INNOVATION SUMMIT 2026」(主催:eiicon)では「共創3.0の到来:日本の産業はどこから変わるべきか」をテーマに、KDDI 代表取締役会長の高橋 誠 氏と、グロービス・キャピタル・パートナーズ 代表パートナーの今野 穣 氏、前デジタル大臣の平 将明 氏が議論した。

 高橋氏は「フロンティアAI領域では膨大な投資マネーが流入しており、同領域で力勝負を挑んでも勝ち目はない」としたうえで「日本は人口減少や高齢化に直面する課題先進国だ。培ってきた社会課題の解決ノウハウにAI技術を組み合わせた『ジャパン・パッケージ』のグローバル標準化を狙うべきだ」と提言する(写真1)。

写真1:KDDI 代表取締役会長の高橋 誠 氏

 今野氏は「日本が世界で勝つためには、他国が容易に模倣できない固有の優位性にフォーカスすることが極めて重要だ」と強調する(写真2)。具体的には、サイバー空間のみで完結する情報処理ではなく、製造現場など蓄積されたリアルなモノづくりの技術やフィジカルAIなどが相当する。

写真2:グロービス・キャピタル・パートナーズ 代表パートナーの今野 穣 氏

 平氏は「欧州のような厳しい法規制を設けるのではなく、国家の強制力や罰則を伴わないソフトロー(Soft Law)を中心に据えたことで日本は、AIモデルの学習や実装が世界で最もスムーズに実施できる環境を整えられた」とし、ガバナンス設計が日本の制度的強みに浮上していると指摘する(写真3)。

写真3:前デジタル大臣の平 将明 氏