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六本木商店街、交差点の往来をAIで分析し売上向上につなげる実証実験を開始

DIGITAL X 編集部
2017年10月25日

東京・港区の六本木商店街振興組合は、六本木交差点の往来を撮影したカメラ画像をAI(人工知能)で分析する実証実験を開始した。歩行者1人ひとりの性別や年代などを把握し、集客や売り上げの向上につなげたい考えで2018年11月まで続ける予定。システム構築を担当したNECが2017年10月20日に発表した。

 実証実験では、六本木交差点にビデオカメラを設置し、行き交う歩行者を24時間撮影。その画像をAI(人工知能)で分析し、歩行者1人ひとりの性別や年代といった属性と移動方向を推定する(図1)。

図1:歩行者1人ひとりの顔を認識し、その画像から年齢などの属性を推定する

 推定結果を基に、集客や売上向上につながる施策を打ち、六本木商店街の活性化を目指す。例えば、商店街に設置したデジタルサイネージの表示内容を歩行者の属性に応じてリアルタイムに切り替えた場合の集客効果を検証する。画像分析では、日本人か外国人かも推定できるとしている。

 歩行者のプライバシーへの配慮も実証実験の対象。歩行者の属性を推定するためのデータを生成できれば元の画像データは即座に廃棄し、歩行者個人を特定できるデータは残さないようにする。IoT推進コンソーシアムと、総務省、経済産業省が2017年1月に策定した「カメラ画像利活用ガイドブック」を基に、実証実験に向けたガイドラインを作成するなど、個人情報保護法などの関係法令を守る仕組みも構築した。

 属性の推定にはNECが開発した「FieldAnalyst」を利用する。画像から人物・顔を自動で検出し、年齢・性別などを推定する画像認識技術で、イベント会場での入退場者数の計測や接客サービスにおける”笑顔”の教育などに利用されている。

デジタル変革(DX)への取り組み内容
企業/組織名六本木商店街振興組合
業種流通・小売り
地域東京都港区
課題国内外からの観光客などに対する、より有効な集客策・売り上げ貢献策の模索
解決の仕組み六本木交差点の歩行者の性別や年齢などをAI(人工知能)で推定し、その結果に合わせたデジタルサイネージなどをリアルタイムに変更・配信する
推進母体/体制六本木商店街振興組合、NEC
活用しているデータ交差点の歩行者を24時間撮影したビデオ画像
採用している製品/サービス/技術画像から人物・顔を自動で検出し、年齢・性別などを推定する画像認識技術「FieldAnalyst」(NEC製)
稼働時期2017年10月〜2018年11月(予定)