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ソースネクスト、グローバル対応の携帯翻訳機にソラコムの最新SIMを組み込み

志度 昌宏(DIGITAL X 編集長)
2017年10月23日
写真1:「POCKETALK」を持つソースネクストの松田 憲幸 社長(中央)と、発表会に登壇した日本レスリング協会理事の吉田 沙保里 氏(左)とソースネクスト・イメージキャラクターの剛力 彩芽 氏

PC用ソフトウェアなどを開発・販売するソースネクストは携帯型自動翻訳機「POCKETALK(ポケトーク)」に、IoT向け通信サービスを提供するソラコムの最新SIMサービスを組み込んだ。これによりPOCKETALKを世界61カ国で通信環境を気にせずに利用できるデバイスとして展開する。2017年12月14日から販売する。

 ソースネクストの「POCKETALK」は、名刺大の携帯型の自動翻訳機。オランダのスタートアップ企業、Travisがクラウドファンディングで開発した仕組みを日本語対応を含め国内で販売する。デバイスに話しかけると、クラウド側で翻訳された結果が読み上げられる。対応する言語は双方向に翻訳できるものだけで50言語を超える。

 POCKETALKには、世界61カ国で利用できる専用グローバルSIMを組み込んだモデルと、Wi-Fiモデルがある。SIM組み込みモデルに採用したのが、ソラコムが2017年10月11日に発表・開始した「SORACOM Air for セルラー(グローバル向け Air SIM)」の新料金プラン(写真2)。エンドユーザーが通信機能を利用していない期間に加え、工場で組み込み出荷してからエンドユーザーが実際に利用を始めるまでの期間も課金が発生しないのが特徴だ。新料金プランを実現するためにソラコムは、独自の加入者管理・認証基盤(HLR)を開発し実装した。

写真2:つソースネクストの松田 憲幸社長(左)と「POCKETALK」に組み込まれているSIMカードを持つソラコムの玉川 憲 社長

 ソラコムのSIMを内蔵していることの利点を松田社長は、「現地のWi-Fi環境を捜す必要がなく、海外に着けば直ぐに利用できる。翻訳機が、まさに必要なタイミングから利用できる」と説明する。POCKETALKの発売に向けて、こうしたSIMを捜していたとも言う。

 ソースネクストは、年賀状作成ソフトウェアやセキュリティ対策ツールなどPC用のソフトウェア販売で知られる。だが2017年3月に英会話教材「ロゼッタストーン」の国内独占販売権を取得するなど語学教育分野にも乗り出している。2017年にはロゼッタストーンのコンテンツをアプリケーション化した商品も発売する予定である。

 松田社長は、「外国語の習得者が増える未来と、POCKETALKによって言語学習が不要な未来の双方を目指すことで『言語の壁をなくす』というミッションを実現したい」と意気込む。音声翻訳ではスマートフォン用アプリケーションも存在するが「使い勝手や音量・音質に加え、個人が所有するスマートフォンを他人に渡す必要がないなど、専用機ならではのメリットがある」(同)とする。

 POCKETALKの価格は、SIM内蔵モデル(利用期間は2年間)が2万9800円(税別)、Wi-Fiモデルが2万4800円(同)。利用期間終了後の専用グローバルSiM(2年)は1万円(同)である。2020年までに「最低でも50万台を販売するのが目標」(松田社長)だ。

デジタル変革(DX)への取り組み内容
企業/組織名ソースネクスト
業種サービス
地域日本
課題携帯型の自動翻訳機「POCKETALK」を販売するに当たり、海外に持ち出した際にもネットワーク環境を気にせず利用できるサービスにしたい。
解決の仕組み通信機能を利用していない期間と、工場出荷から実利用までは課金されないグローバル対応のSIMを内蔵。
推進母体/体制ソースネクスト、ソラコム
採用している製品/サービス/技術ソラコムの「SORACOM Air for セルラー(グローバル向け Air SIM)」の新料金プラン
稼働時期2017年12月14日