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ディノス・セシール、ECサイトの購入中止者に“紙”のDMを送る仕組みを導入へ

DIGITAL X 編集部
2017年11月9日

通販事業者のディノス・セシールは、ECサイトでカートにまで商品を入れながら購入を中止した顧客に対し、”紙”のダイレクトメールを送る仕組みを2018年4月から導入する。試験運用で電子メールより紙のほうが購買率が2割高かったため。2017年11月1日に発表した。

 2018年4月に投入するのは、ECサイトでショッピングカートに商品を一旦入れながらも購入を取りやめた顧客に対し、その顧客に最適化した”紙”のダイレクトメールを最短24時間で印刷し発送するもの。顧客データや検討商品の情報から、それぞれの検討商品の内容を反映したダイレクトメールを印刷する(図1)。これまで、そうした顧客には、購入を薦める電子メールを送信していたが、「大量のメールに埋もれてしまい、メール開封率の下落が顕著」(ディノス・セシール)だった。

図1:ECサイトでの購買行動に応じた”紙”のダイレクトメールを最短24時間で印刷し発送する

 この仕組みを2017年9月末から2週間、試験運用したところ、従来型の電子メールよりも、紙のダイレクトメールも郵送したほうが、顧客の購入率が20%高かったという。その理由として同社は、「Webの画面に比べて印刷物の方が解像度が高く商品の特徴などを詳細に伝えられること、郵便や宅配で確実に顧客の手許に届くこと」を挙げている。

 個々の顧客に向けたダイレクトメールの印刷には、ベンチャー企業のグーフが運用するクラウドサービス「Print of Things」を利用する。顧客データなどをクラウドに送ると、印刷用データを生成し、大型印刷機で印刷する。Print of Thingsは、ECサイト上での顧客行動の検知から、ダイレクトメール印刷のプロセスまでを完全に自動化しており、顧客の購買中止を検知すると、最短24時間で印刷し発送する。大型印刷機には日本HP製のデジタル印刷機を使用している。製版なしに、小ロットの印刷物を高い品質で印刷できるとしている。

 個別最適な紙のダイレクトメールの印刷・配送は、デジタル印刷機活用の第1弾で、ディノス・セシールでは今後、ダイレクトメールに限らず、カタログなどの紙媒体にも本システムを応用することを検討している。

デジタル変革(DX)への取り組み内容
企業/組織名ディノス・セシール
業種流通・小売り
地域東京都中野区
課題ECサイトでショッピングカートにまで商品を入れながらも購入に至らない顧客に対し、購入を促す電子メールを送っていたが、大量のメールに埋もれ、お薦め情報を確実に届けられなかった。
解決策高速デジタル印刷機を使って、顧客に最適化した”紙”のダイレクトメールを送付する。購買中止を検知すると、顧客データや閲覧履歴に基づき、顧客それぞれに最適化したダイレクトメールを最短24時間で印刷し発送する。
推進母体/体制ディノス・セシール
活用しているデータ顧客情報、購入を中止した商品データ、ECサイトの閲覧データ
採用している製品/サービス/技術個々の顧客に合わせてダイレクトメールを印刷するクラウドサービス「Print of Things」(グーフ製)と、個別DMを高速に印刷できるデジタル印刷機(日本HP製)
稼働時期2018年4月から