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JA松本ハイランド、農産物直売所の売れ行きをスマホで把握する映像システムを実証、AIで個人画像を消去
2017年11月14日
松本ハイランド農業協同組合(JA松本ハイランド)は、直売所の陳列棚を映し、スマートフォンから商品の売れ行きをリアルタイムに把握できるシステム「つながるファーマーズ」の実証実験を2017年11月13日から開始する。システムを構築する日本ユニシスが11月6日に発表した。
新鮮で安心できる農産物を安価に購入できるとして、農産物直売所を利用する消費者は多い。しかし、スーパーマーケットの売り場とは異なり、生産者が商品を持ち込む形態のため、売り場を管理する専任者がいない。そのため、早々に売り切れても商品をすぐに補充できないケースが発生し、需要がありながらも販売機会を逃していた。
今回の実証実験では、JA松本ハイランドが直売所の陳列棚を映すカメラを設置し、生産者にはスマートフォン用のアプリケーションを提供することで、陳列棚の様子をリアルタイムに確認できるようにする(図1)。生産者は陳列棚の様子を確認することで、品切れを起こさないように商品を補充できる。カメラ画像に写り込んだ来店客の姿をAI(人工知能)を使った動体除去技術で消去することで、個人を特定できる情報は扱わないように配慮する。
JA松本ハイランドは、生産者が売れ行きをリアルタイムに見ることで、商品の出荷意欲の向上につながることを期待する。また、来店見込み客に商品の陳列状況を配信すれば、さらなる集客が可能になると考えている。実証期間は2017年11月13日から2018年3月31日までの約5カ月を予定する。
日本ユニシスは実証実験の結果を検証し、つながるファーマーズの商品化を進め、全国の農産物直販所へ販売したい考え。AIを活用して来店客の性別や年代などの属性を分析し、POS(販売時点情報管理)データと組み合わせたマーケティング支援機能の提供も予定している。
企業/組織名 | 松本ハイランド農業協同組合(JA松本ハイランド) |
業種 | 農林水産 |
地域 | 長野県東筑摩郡山形村 |
課題 | 生産者が持ち込む形態で商品在庫などを管理する担当者がいないため、品切れが発生しても適切な補充ができなかった |
解決の仕組み | 陳列棚をカメラで撮影し、売れ行きをスマートフォンからリアルタイムに確認できるようにする |
推進母体/体制 | JA松本ハイランド、日本ユニシス |
活用しているデータ | 陳列棚の画像データ |
採用している製品/サービス/技術 | 「つながるファーマーズ」(日本ユニシス製) |
稼働時期 | 2017年11月13日から2018年3月31日まで |