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三菱ふそうトラック・バス、設計・開発やメンテナンスの業務にMicrosoft HoloLensを導入

DIGITAL X 編集部
2017年11月16日

三菱ふそうトラック・バスは、製品の企画、設計、開発やメンテナンス業務に「Microsoft HoloLens」を導入し、MR(Mixed Reality)画像を使って議論できるようにした。参加者全員が同じ設計イメージを持って議論できることを期待する。システムを納入した日本マイクロソフトが2017年11月8日に発表した。

 三菱ふそうトラック・バスが導入したのは、日本マイクロソフトの「Microsoft HoloLens」。プロセサやGPUを搭載し、Windows 10が動作するゴーグル型のPCである。HoloLensを装着すると、目の前に見える実像の中に、3次元のCG(コンピューターグラフィクス)が浮かんでいるように見える(図1)。三菱ふそうは、3次元の設計データをHoloLensで表示することで、設計・開発時の議論を深めたい考えだ。

図1:HoloLensを装着すると、現実の風景の中に3次元のCG(コンピューターグラフィクス)が浮かんでいるように見える

 HoloLensはメンテナンス作業にも応用する。HoloLensを装着した作業者に作業手順をMRで表示することで、正しい手順でミスのない作業を実施できるようにする。不慣れな担当者が、次に何をすべきかが分からず時間を浪費するといったケースを回避するのが狙い。

 三菱ふそうトラック・バスは現在、マイクロソフト製品を使った業務変革/デジタルトランスフォーメーションに取り組んでいる。たとえば、社内用の問い合わせ窓口にMicrosoft AzureのAI(人工知能)関連サービスを使ったチャットボットを導入している。問い合わせ対応のほとんどをAIに任せることで、窓口の業務効率向上を図る。将来は、顧客からの問い合わせや、運転手と整備士のコミュニケーションといった業務にも適用する計画だ。

 また、同社が2017年10月1日に開始した車両運行管理サービス「Truckonnect(トラックコネクト)」はMicrosoft Azure上に構築した。IoT(Internet of Things:モノのインターネット)のための「Microsoft Azure IoT Hub」を使って、トラックやバスをクラウドに接続し、それぞれの位置や燃料の残量などをリアルタイムで把握。配車センターに同情報を提供するほか、データの推移からトラブルを未然に防ぐ。

 今後は日本マイクロソフトの支援を受けながら、さらに広い分野で業務改革を進める予定だとしている。

デジタル変革(DX)への取り組み内容
企業/組織名三菱ふそうトラック・バス
業種製造
地域神奈川県川崎市
課題製品の設計・開発時の議論で、全員が同じイメージを持って議論することが難しかった。メンテナンス業務では、作業者が手順を十分に理解できていないことがあった
解決の仕組み設計データや、作業指示を表示するMR(Mixed Reality)グラスを導入した
推進母体/体制三菱ふそうトラック・バス、日本マイクロソフト
活用しているデータ設計データ、作業手順書のデータなど
採用している製品/サービス/技術「Microsoft HoloLens」(日本マイクロソフト製)
稼働時期2017年内に利用を開始する予定