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スペインのSiemens Gamesa Renewable Energy、風力発電設備の羽根の検査にAIを導入

DIGITAL X 編集部
2017年11月17日

風力発電機を製造するスペインのSiemens Gamesa Renewable Energyは、巨大化し続ける風力発電設備の羽根の検査にAI(人工知能)を導入した。システムを収めた富士通が2017年11月8日に発表した。

 風力発電が急速に普及するヨーロッパ。発電設備の需要が高まると同時に、発電設備の大出力化・大規模化も進んでいる。風力発電設備の全高は、より高くなり、羽根の回転半径もどんどん大きくなっている。Siemens Gamesa Renewable Energy(Siemens Gamesa)が製造する風力発電設備用の羽根の長さは最長で75mにもなっている。

 そんな風力発電設備の品質検査では、熟練の技術者が完成した羽根の超音波画像を大量に撮影し、1枚1枚確認していた。そのため、1枚の羽根の検査に6時間もかかっていた。

 今回、AI(人工知能)の学習モデルを構築し、過去に撮影した羽根の超音波画像を大量に集め学習させた。その結果、新たに撮影した超音波画像をAIモデルで分析することで、将来不具合を起こす可能性がある部分を自動的に検出できるようになった。これにより検査時間は、これまでの6時間から1時間半まで短縮できたとしている。

 システムは富士通が同社のIAサーバー「FUJITSU Server PRIMERGY」上に構築した。羽根のモデル変更にも対応できるという。富士通は2018年に、このシステムをクラウドサービスとして提供する計画である。

デジタル変革(DX)への取り組み内容
企業/組織名スペインのSiemens Gamesa Renewable Energy
業種製造
地域スペイン・ビスカヤ県
課題風力発電設備用の羽根が、どんどん巨大化し、品質検査に長い時間がかかっていた
解決の仕組み大量の超音波画像データをAIに学習させて、将来不具合を引き起こす可能性がある部分を自動的に検出させるようにした
推進母体/体制Siemens Gamesa Renewable Energy、富士通
活用しているデータ羽根の超音波画像
採用している製品/サービス/技術AIを活用した品質検査ソフトウェア(富士通製)
稼働時期稼働中