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新潟市、災害時情報システムを更新し罹災書類などの即時発行を可能に

DIGITAL X 編集部
2017年11月21日

新潟市は災害時情報システムを2018年4月に更新する。大規模災害発生後でも罹災証明書を即時発行できるようにするのが目的。熊本地震発生後、罹災証明書の発行に多大な時間と労力がかかったことを受けて対策を打つ。システムを構築する日本IBMが2017年11月9日に発表した。

 新潟市はこれまで、クライアント/サーバー方式の災害時導入システムを運用していた。だが、熊本地震や各地で発生する豪雨の被害を見て、現行システムでは大規模災害が発生した際には業務が滞ると考え、システム更新を決めた。

 新たに導入するのは「IBM災害対応情報システム」をベースにしたもの。同システムでは災害発生時、タブレット端末を被災地に持ち込み、建物の被害状況を早期に調査できる。避難時に支援が必要な住民名簿の作成・管理機能があり、災害情報と避難施設などの情報を地図上に重ね合わせて表示することも可能だ。

 このシステムに今回、帳票発行システム「Excel業務イノベーションプラットフォームxoBlos(ゾブロス)」(デジタル・インフォメーション・テクノロジー製)を組み合わせる。熊本地震発生後、変わり続ける状況に合わせた罹災証明書などを短時間で発行した実績があるという。

 加えて、国土交通省の統合災害情報システム「DiMAPS」が採用しているタイルマッピング技術を取り入れる。地図情報をWebブラウザ上に素早く表示し、滑らかに操作できるようになる。地図タイルデータには、ESRIジャパン製の「ArcGIS」で作成することで、データ作成時間の短縮を図る。

 地図データ自体は、ゼンリンの住宅地図データベース「Zmap-TOWNII」を採用する。道路や鉄道、建築物、自治体の境界線、交通規制情報といった情報に加え、一軒一軒の建物名称までデータ化されているため、被害を受けた建物をいち早く特定し、被害調査といった業務の効率を高められるとしている。

デジタル変革(DX)への取り組み内容
企業/組織名新潟市
業種公共
地域新潟市
課題大規模災害後の罹災証明などの発行業務に膨大な時間と労力がかかる
解決の仕組み災害情報や避難施設などの情報を地図上に重ね合わせて表示することで、被災現場へ早期に到着すると同時に、状況把握に必要な情報をまとめて表示できるようにする
推進母体/体制新潟市、日本IBM
活用しているデータ住宅地図データベース「Zmap-TOWNⅡ」(ゼンリン製)など
採用している製品/サービス/技術「IBM災害対応情報システム」(日本IBM製)、「Excel業務イノベーションプラットフォームxoBlos」(デジタル・インフォメーション・テクノロジー製)、「ArcGIS」(ESRIジャパン製)
稼働時期2018年4月