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NECプラットフォームズ甲府事業所、サーバー製品の需要をAIで予測し部品在庫を縮小に

DIGITAL X 編集部
2017年11月21日

NEC製サーバーを生産するNECプラットフォームズは、AI(人工知能)を使ってサーバーの需要を予測し、部品在庫を必要最小限にまで抑える取り組みを開始した。システムを構築したNECが2017年11月8日に発表した。

 山梨県にあるNECプラットフォームズの甲府事業所では、NECのサーバー「Express5800シリーズ」をBTO(Build To Order:受注生産)方式で生産している(図1)。顧客がサーバーの構成を指定した注文を受けてからサーバーを生産し、最短4営業日で出荷する態勢を取っている。これまでも、部品在庫の縮小に取り組んできたが、AIを利用することで、さらなる縮小を狙う。

図1:NECのサーバー「Express5800シリーズ」

 これまで甲府事業所では、専門要員が3カ月先のサーバー需要を予測していた。ここに、NECが開発したAI技術である「異種混合学習技術」を適用することで、サーバーの需要予測精度を高める。

 BTO方式で生産するExpress5800シリーズの完成品には、10万通り以上の組み合わせが存在する。多くの組み合わせに対応しながら最短4営業日で出荷するには、生産時に必要な部品がそろっていることが大前提だが、顧客ニーズに応じるための部品の欠品を防止しながら、部品在庫を可能な限り縮小するには、需要予測精度をより高める必要がある。

 取り組みに先立って実施した実証実験では、月々の部品在庫を金額換算で最大45%削減できるという予測結果が得られた。この結果を得られたため、BTO生産の現場からAIによる需要予測を本格導入することを決めた。

 AI機能とシステムを提供したNECは、甲府事業所での導入・運用ノウハウに基づき、製造業への製品需要予測サービスを2017年度中に提供したい考えである。

デジタル変革(DX)への取り組み内容
企業/組織名NECプラットフォームズ甲府事業所
業種製造
地域山梨県甲府市
課題BTO(Build To Order:受注生産)方式でのサーバー生産に必要な部品在庫を、需要ニーズに応えつつ、さらに縮小したい
解決の仕組みサーバーの過去売上実績などのデータをAI(人工知能)で分析してサーバーの需要予測精度を高める
推進母体/体制NEC、NECプラットフォームズ
活用しているデータサーバーの過去売上実績データ、マクロ経済指数、社会的なイベント情報など
採用している製品/サービス/技術「異種混合学習技術」(NEC製)
稼働時期2017年11月