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シンガポール・チャンギ国際空港、新ターミナルの搭乗手続きに生体認証を導入

DIGITAL X 編集部
2017年12月7日

シンガポールのチャンギ国際空港は、10月31日に開業した第4ターミナルにおける搭乗手続きにに生体認証技術を導入した。チェックイン端末でパスポートや搭乗チケットをチェックした際に、乗客の顔データも記録することで、その後の登場までの手続きは、ほぼ顔認証だけで済ませる。システムを納入した仏IDEMIAが2017年11月15日に発表した。

 チャンギ国際空港の第4ターミナルは、計画段階から搭乗手続きの自動化を目指していた。人手による登場手続きでは、作業時間がかかり手続き待ちの行列ができてしまうことと、人手による作業ではミスを完全に排除できずセキュリティ面で問題があるからだ。事前調査では、人手による手続きでは、最大で5人に1人の割合で搭乗客を間違えて認識しているという結果が出た。

 今回、導入した仕組みでは、搭乗客が無人のチェックイン端末でパスポートを使ってチェックインしている間に、カメラで顔データを撮影する。手続きが完了すると、預け入れ荷物に取り付けるタグを出力するが、この時点で、顔データと、パスポート、搭乗チケット、タグの情報をひも付けた搭乗者レコードを作成する(図1)。その後の搭乗までの手続きは、その都度、カメラで乗客の顔を認証することで自動的に進めることで、旅客機に乗り込むまで、ほぼ無人で手続きが終了する。

図1:チャンギ国際空港の第4ターミナルでは、顔認証で搭乗手続きが自動的に済んでしまう

 自動化の仕組みを制御しているのは、仏IDEMI製の生体認証基盤「MorphoPass Airport Solution」。同社の顔認証機器「MorphoFace」で取得した顔データを搭乗手続きの各段階で参照する。顔データで搭乗客を認証し、認証に成功したら自動ゲート「MorphoWay」を開き、次の段階に進ませる。

デジタル変革(DX)への取り組み内容
企業/組織名シンガポール・チャンギ国際空港
業種交通
地域シンガポール
課題人手による搭乗手続きでは時間がかかり、ミスも発生する
解決の仕組み顔認証技術と、それに対応したゲートなどの機器を導入して手続きを自動化
推進母体/体制シンガポール・チャンギ国際空港、仏IDEMIA
活用しているデータ搭乗客の顔データやパスポート、搭乗チケットのデータ
採用している製品/サービス/技術生体認証基盤「MorphoPass Airport Solution」、顔認証機器「MorphoFace」、生体認証対応自動ゲート「MorphoWay」(いずれも仏IDEMIA製)
稼働時期2017年10月31日