• UseCase
  • 金融・保険

三井住友フィナンシャルグループ、貿易手続きの省力化に向けたブロックチェーン応用を実証中

DIGITAL X 編集部
2018年1月10日

三井住友フィナンシャルグループほか6社が、貿易手続きにおける省力化や精度向上、セキュリティ水準の向上を目指し、ブロックチェーン技術を応用する実証実験を開始している。2017年12月12日に実験開始に同意した。

 実証実験に参加しているのは、三井住友フィナンシャルグループ、三井住友銀行、日本総合研究所、三井物産、商船三井、三井住友海上火災保険株式会社、日本IBMの7社。実際の貿易取引に合わせて、取引契約、物流、貨物保険などに必要な書類を電子化し、ブロックチェーンのネットワークに記録する。記録したデータを参加企業は常に最新の状態で参照できる。

 ブロックチェーンを導入することで、貿易手続きの改善を期待する。具体的には、各種文書間の齟齬を減少できるか、事務コストを削減できるか、従来よりセキュリティ水準を高められるかといった点を検証する。これまでの取引形態と比べ、ブロックチェーンを利用するほうが明らかに優位な点があるかどうかも検証し、将来の商用化を目指す。

 特に、三井住友フィナンシャルグループ、三井住友銀行、日本総合研究所の3社は、ブロックチェーンを契約関係の記録に応用し、全く新しい金融商品やサービスの開発・提供を目指すとしている。

 三井物産は国際貿易で長年培ってきたノウハウを今回の実証実験に提供。貿易取引における手続きなどの実務の省力化、生産性向上を目指す商船三井は、海運に関する専門知識を提供し、三井住友海上火災保険は、ブロックチェーンなどの先端技術を活用した新しいサービスの開発および提供を目指す。

 実証実験用のシステムは日本IBMが構築する。産業界が求める高度なセキュリティ要件を満たしながら、多様な業務へ応用できるようにする。ブロックチェーンの技術としては、IBMも参加するオープンソースのプロジェクトであるHyperledgerが開発した「Hyperledger Fabric」を利用する。

デジタル変革(DX)への取り組み内容
企業/組織名三井住友フィナンシャルグループほか6社
業種金融・保険
地域東京都千代田区
課題貿易手続きでは、多様な書類を手書きで準備しなければならず、手続完了までに時間がかかるうえ、ミスを誘発していた
解決の仕組みブロックチェーンのネットワークに必要書類を電子化し、関係各社が最新情報を参照できるようにする
推進母体/体制三井住友フィナンシャルグループ、三井住友銀行、日本総合研究所、三井物産、商船三井、三井住友海上火災保険株式会社、日本IBM
活用しているデータ貿易の取引契約データ、貨物保険データなど
採用している製品/サービス/技術Hyperledger Fabric(オープンソースのブロックチェーンソフトウェア)
稼働時期2017年12月