• UseCase
  • 公共

シンガポール政府、テロ対策の一環で生体データを利用するセキュリティを実証実験

DIGITAL X 編集部
2018年1月23日

シンガポール政府は、石油化学工業基地へのテロ対策の一環として、顔写真や話し声などの生体データを分析しセキュリティを確保するための実証実験を終えた。目的を達成できる成果が得られたため。実験に協力したNECが2018年1月17日に発表した。

 実証実験を実施していたのは、シンガポール南西部にある人口島の「ジュロン島」。巨大な石油化学工業基地になっており、シンガポール政府はテロを警戒して厳重な警備体制を敷き、人の立ち入りも制限している。ただ、島に入る関係者が検問を受ける際の手続きに時間がかかっており業務の効率化が大きな課題になっていた。

 実験は、各種センサーを使って、要注意人物や不審な動きをいち早く検知することを目標に2016年9月に開始した。島内各所に防犯カメラやマイクを設置し、顔写真や話し声を分析することで、要注意人物や不審な行動を発見した。ジュロン島に入るバスの乗降口や窓などにもセンサーを取り付け、検問エリアで乗降口や窓を開閉しないかを監視した。

 入場手続きの効率化に向けては、NECの生体認証技術を搭載した専用端末を検問所に設置。入場希望者が車内から端末を操作し本人確認書類や顔写真、指紋情報を登録すれば、車から下りることなく入場できるようにした。

 シンガポール政府とNECは、今回の仕組みにより、要注意人物の検出や、怪しい行動の検知、入場手続きの簡素化が可能だと結論付けている。

デジタル変革(DX)への取り組み内容
企業/組織名シンガポール政府
業種公共
地域シンガポール・ジュロン島
課題立ち入り制限エリアへの入場者の検問手続きに時間がかかる
解決の仕組みカメラで撮影した顔写真や、マイクで拾った声などのデータを分析し、要注意人物や、不審な行動をいち早く検知する
推進母体/体制シンガポール政府、シンガポールJTCコーポレーション、NEC
活用しているデータ入場者の顔写真や話し声、指紋などのデータ
採用している製品/サービス/技術生体認証技術(NEC製)
稼働時期2016年9月から2018年1月