• UseCase
  • 流通・小売り

横浜高島屋とJOINUS、デジタルサイネージにAIなどで解析した飲食店の空席情報を表示

DIGITAL X 編集部
2018年1月30日

高島屋横浜店と、相鉄横浜駅ビルに入居する「JOINUS(ジョイナス)」は、それぞれの施設に出店している飲食店の空席情報を表示するデジタルサイネージを2018年2月1日から本格導入する。横浜駅西口を最先端都市にするために実施した「アクセラレーションプログラム」において2016年秋の第1期募集で採択したベンチャー企業の仕組みを利用する。2018年1月25日に発表した。

 デパートやショッピングセンター内で営業している飲食店は、フロアが上層階にあったりビル内に点在したりしており、店舗入り口では空席があるかどうかが分からないのが通常だ。店を訪れても席がなかったということも少なくない。2月から導入するデジタルサイネージのディスプレイは、建物入り口などに設置し、飲食店の空席状況や待ち時間を来店客に伝える。

 飲食店の空席情報をセンサーとカメラを組み合わせて検知するのが特徴。センサーは席に人がいるかを検知し、カメラは空席を検知する。撮影した画像はAI(人工知能)で分析する(図1)。店員が席が埋まっていることを手動入力するための小型機器も併用する。

図1:センサーの検出値とカメラ画像をAIで解析した結果から、空席を検知する

 対象になる飲食店は、高島屋横浜店が7店舗、JOINUSが11店舗の合計18店舗。ディスプレイは合計で4カ所に設置する。高島屋横浜店は1カ所、JOINUSは3カ所にそれぞれ設置する。どれも人通りが多く目立つ場所だ。JOINUSでは、2018年春には全57店舗を対象にし、ディスプレイも11カ所に設置する予定である。スマートフォンやタブレットで空席情報を確認できる専用Webサイトの開設も予定する。

 空席を検知してデジタルサイネージに表示する仕組みは、バカンが開発する「VACAN」を使用する。バカンは、相鉄グループと高島屋が横浜駅西口の活性化に向けて20116年に共同で実施した「アクセラレーションプログラム」で採択した1社。2017年8月9日から10月2日にかけて、飲食店への送客状況や満足度を計測する実証実験を実施しており、その結果を受けての本格導入となった。

 なおアクセラレーションプログラムの第2期参加企業を2018年2月4日まで募集している。

デジタル変革(DX)への取り組み内容
企業/組織名高島屋(横浜高島屋)、相鉄グループ(相鉄JOINUS)
業種流通・小売り
地域横浜市西区
課題百貨店やショッピングセンターにある飲食店の空席状況が、実際に店舗に行くまで分からない
解決の仕組み店内のセンサーや、カメラ画像をAIで分析した結果から空席を検知し、建物の入口など人通りが多いところに設置したディスプレイに空席状態と待ち時間を表示する
推進母体/体制高島屋、相鉄グループ、両社のアクセラレーションプログラムで採択したバカン
活用しているデータセンサーの検出値や、店舗内のカメラ画像データ
採用している製品/サービス/技術空席状況表示システム「VACAN」(バカン製)
稼働時期2018年2月1日から