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東京・町田市で「電子レシート」の実証実験、複数社の27店舗でデータを連携

DIGITAL X 編集部
2018年2月8日

東京・町田市で「電子レシート」の実証実験が2018年2月13日から始まる。市内の27店舗が協力し、買い物客が持つスマートフォンに電子レシートを発行。電子レシートのデータは、実験参加企業がAPIを介して利用できるようにする。経済産業省から委託を受けた東芝テックのほか、実験に参加する企業各社が2018年1月31日に発表した。

 今回の実証実験では、町田市内の店舗で電子レシートを発行する。買い物客はスマートフォンに専用アプリケーションをインストールしておけば電子レシートのデータを受け取れる(図1)。電子レシートを発行するのは、ココカラファイン、三徳、東急ハンズ、ミニストップ、ウエルシア薬局、銀座コージーコーナーが町田市内で運営する27店舗である。

図1:電子レシート用スマホアプリの画面例

 実験に向け、電子レシートのデータ形式を統一した。どの店舗で受け取ったレシートも同じように扱える。各店舗が発行した電子レシートのデータは「電子レシートセンター」に集約する。各社は、共通APIを使って電子レシートのデータを取得できる。これまでの電子レシートは、導入企業向けに個別開発されており、他社システムとの連携はほぼ不可能だった。これが、共通APIを利用することで連携が可能になる。

 加えて、各店舗が持つ気象データや温湿度などのセンサーデータを収集し、Microsoftの「Azure IoT Hub」を通してMicrosoft Azureのストレージにデータを送信する。各店舗の電子レシートデータと合わせて取得すれば、気候に応じた売り上げの変化度合いなどを分析できる(図2)。

図2:電子レシートシステムの全体像

 さらに、共通APIを利用するアプリケーションを利用することで、買い物客は家計簿や会計などのサービスでも電子レシートを利用できる。すでに大日本印刷が家計簿アプリ「レシーピ!」で、マネーフォワードが資産管理サービス「マネーフォワード」で電子レシートに対応すると発表している。

 今回の実証実験は、経済産業省と、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構の「IoTを活用した新産業モデル創出基盤整備事業」の一環として実施するもの。経済産業省が策定する電子レシートの標準規格の検証が目的の1つである。

デジタル変革(DX)への取り組み内容
企業/組織名経済産業省、NEDO
業種流通・小売り
地域東京都町田市
課題販売店が発行するレシート情報は、他社のシステムで利用することができず不便
解決の仕組みデータを取得できる共通APIを持つ電子レシートシステムを開発し、供給のデータ形式のレシートデータを生成する
推進母体/体制経済産業省、NEDO、東芝テック、ココカラファイン、三徳、東急ハンズ、ミニストップ、ウエルシア薬局、銀座コージーコーナー、大日本印刷、マネーフォワードなど
活用しているデータ買い物の際に発生するレシートデータ
採用している製品/サービス/技術「電子レシートシステム」(東芝テック製)、「Microsoft Azure」(Microsoft製)
稼働時期2018年2月13日から2月28日まで