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パルコ、「カエルパルコ」に追加した宅配ロッカーの履歴管理にブロックチェーンを採用

DIGITAL X 編集部
2018年4月30日

商業ビル「PARCO」の運営などを手がけるパルコが、商品を受け取るための宅配ロッカーの履歴管理にブロックチェーンを適用した。同社が手がける「カエルパルコ」の新サービスとして、2018年4月23日から検証のための運用を開始している。システムはセゾン情報システムズが構築し、ブロックチェーン基盤はGMOインターネットが提供する。2018年4月20日に発表した。

 PARCOの「カエルパルコ」は、Webサイト上で商品の取り置きを依頼し、店頭で受け取るというネットショッピングのサービス。朝や昼間に注文した商品を、夕方の帰宅時などに店頭で受け取るといった利用シーンを想定したものだ。

 今回、閉店後も商品を受け取れるように店舗外に宅配ロッカーを設置した。商品購入者は。注文時にQRコードをメールで受け取り、このQRコードを宅配ロッカーにかざせば、注文した商品が入ったロッカーから商品を取り出せる(図1)。宅配ロッカーは、「池袋PARCO」(東京豊島区)の地下1階駐輪場入口横に設置した。

図1:宅配ロッカーとブロックチェーンを利用した商品受け渡しサービスのイメージ

 宅配ロッカーを設置するに当たり、その記録にブロックチェーン技術を利用する。分散型での台帳管理を可能にするブロックチェーンでは、データの改ざん・消失といった事故が理論上発生しないほか、システム停止の可能性もほぼない。これらの信頼性から、宅配ロッカーを使った商品受け渡しでも、店頭同等の信頼性を確保できるとみる。

 パルコは、ネットショッピングに宅配ロッカーを組み合わせることで、社会問題になっている物流問題を回避しながらも、いつでも商品を受け取れる方法を提供でき、同社が推進する「24 時間 PARCO」における顧客接点の強化につながることを期待する。

 宅配ロッカーによる受け取りサービスは、セゾン情報システムズが開発・構築する仕組み。2017 年5月には、セゾン情報のオフィスビル内で試験導入した。

 ブロックチェーンの仕組みは、GMOインターネットのPaaS(Platform as a Service)型のブロックチェーンプラットフォーム「Z.com Cloud ブロックチェーン」を利用する。カエルパルコでは、Z.com Cloud ブロックチェーンに、ロッカー管理システムを提供するグローリーの「GCAN」データを連携させ、商品の予約情報や入出庫情報を記録する。データ連携には、セゾン情報グループのアプレッソが開発するブロックチェーンアダプター「DataSpider Servista」を使用する。

 運用実験は、2018年6月まで実施する予定。パルコではテスト運用の結果をもとにシステムやサービスを改修・改善し、本格導入や他店舗への設置などを検討する予定である。GMOインターネットは、同様の宅配ボックスを使用するサービスが、ネット事業に普及することを期待する。

デジタル変革(DX)への取り組み内容
企業/組織名パルコ
業種流通・小売り、商業デベロップメント
地域東京都渋谷区
課題店頭商品をWebサイトから取り置きし、店舗で受け取るサービスを開始したが、閉店後も商品を引き取りたいというニーズが強かった
解決の仕組み店頭に宅配ロッカーを設置し、閉店後も取り出せるようにする。その差に、ロッカーの利用履歴を確実に管理することで店頭同様の新羅性を確保する。そのためにブロックチェーンにすべて記録する
推進母体/体制パルコ、GMOインターネット、セゾン情報システムズ
活用しているデータ商品収納、商品取り出しなどの履歴データ
採用している製品/サービス/技術ブロックチェーン基盤「Z.com Cloud ブロックチェーン」(GMOインターネット製)、宅配ボックス「LEBシリーズ」(グローリー製)、ブロックチェーンアダプタ「DataSpider Servista」(アプレッソ製)
稼働時期2018年4月23日〜2018年6月30日(予定)