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施設園芸関連機器メーカーのネポン、農業IoTサービスの強化に向けAIを活用へ

DIGITAL X 編集部
2018年8月2日

施設園芸関連機器を製造するネポンは、機器から取得したセンサーデータなどに基づいて栽培を支援する農業IoTサービス「アグリネット」において、米IBMが提供するAI(人工知能)サービス「Watson」を活用する。第1弾として8月1日から、ベテラン農家の経験に基づく知見を提供するチャットサービスを開始した。2018年7月10日に発表した。

 ネポンは、施設園芸関連機器のメーカー。温室用温風暖房機を主力製品に持つ。2012年からは農業を対象にしたクラウドサービス「アグリネット」を提供している。多くのデータが蓄積できてきたことから、データ分析に基づく機器の制御サービス事業に乗り出すことにした。

 具体的には、各種センサーで取得した施設園芸用ハウスの環境データや、そこでの機器の制御データなどを統合して分析し、最適な制御を支援する。そのために今回、米IBMが提供するAI(人工知能)サービス「Watson」を利用することを決めた。今後は、日本IBMと協業しながら、ビッグデータにベテラン農家が持つ知見を教師データとして学習する AIを使うことで、施設園芸向けの環境制御サービスの拡充を図る。

 その第1弾として、ベテラン農家の知見に基づくチャットサービスを2018年8月1日から開始した。専用端末に音声で質問すると、音声認識によりテキストデータに変換し、それに基づきクラウド上に蓄積するベテラン農家の知見から質問への回答を抽出し回答する。

 制御サービスなど新事業は、農業への新規参入をうながしたり、生産者の生産性向上や農作物の品質改善などを支援したりするためのサービスに位置付ける。将来的には、アグリネットのプラットフォームをオープン化することで、中小の農家同士を結び付けるIoTプラットフォームとして業種・産業向けサービスを開発し展開していく予定である。

デジタル変革(DX)への取り組み内容
企業/組織名ネポン
業種農林水産
地域東京都渋谷区
課題農業従事者の生産性向上を支援したり、同分野への新規参入者を増やしたりする施策が必要だった
解決の仕組み農業向けクラウドサービスで蓄積した施設園芸環境および機器制御のデータ、ベテラン農家の知見などを統合的にをAIで分析することで、環境に応じて適切な制御や助言を提供する
推進母体/体制ネポン、日本IBM
活用しているデータ施設園芸の環境データ、機器の制御データなど
採用している製品/サービス/技術パブリッククラウドサービス「IBM Cloud」、意思決定支援システム「IBM Watson」(米IBM製)
稼働時期2018年8月1日