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パナソニック アプライアンス社、エネファームを製造する草津工場でIoTデータを見える化

DIGITAL X 編集部
2018年8月10日

パナソニックの社内カンパニーで白物家電や自販機などの業務機器などを開発するアプライアンス社は、家庭用燃料電池「エネファーム」の製造工場である草津工場において、IoT(Internet of Things:モノのインターネット)データを可視化しするダッシュボードを構築した。ダッシュボードを提供するウイングアーク1stが2018年7月20日に発表した。

工場の生産性や品質を決定づける「4M3H」の各指標の変化などを集約して表示し、作業の改善と事故防止を目指す。

 パナソニック アプライアンス社の草津工場(滋賀県草津市)は、家庭用燃料電池「エネファーム」の生産拠点。生産台数を2019年度に自社累計20万台にまで伸ばすという目標を掲げている。

 その目標達成に向け、同社が活用しているのがIoT(Internet of Things:モノのインターネット)の技術。IoTによる各種データ収集や自動化などと、そこで得られた各種製造管理指標を視覚化することで、生産効率と製品の品質の双方を高めることを目指す。

 そのために25項目からなる管理指標を取得している。生産実績、進捗、品質のほかに、工場の生産性や品質を決定づける「4M3H」を加えたもの。4M3Hは、「Man(作業者)」「Machine(機械設備)」「Material(原材料)」「Method(作業方法)」と、「初めて(Hajimete)」「変更(Henko)」「久しぶり(Hisashiburi)」からなる略語である。人のミスを削減することが生産性を高めるという考えから生み出された。

 これら管理指標は従来紙ベースだったが、それをダッシュボード化した。生産性や品質に関する指標を工場の作業員を即座に確認できるようにするのが狙いである。

 さらにダッシュボードには、作業中の動画も表示することにした(図1)。製品の品質に異常が見つかったときは、その製品を組立てている時の動画を確認することで原因を究明する。作業者に無理な姿勢を強いていないかなど、作業効率を落とす真の原因を突き止めることも可能になるとしている。

図1:ダッシュボードには作業中の作業員の動画も表示する

 今後、草津工場では熟練作業員の動きをセンサーで検知し、そのデータをAI(人工知能)で解析する予定である。解析結果から得られた最適な動きなどを作業手順や製造設備に取り入れて、高度な作業の自動化と一般化を目指す。

 なおダッシュボードは、ウイングアーク1stの「MotionBoard」を利用して作成した。データ入力が最も容易なツールだったとしている。

デジタル変革(DX)への取り組み内容
企業/組織名パナソニック アプライアンス社
業種製造
地域滋賀県草津市
課題2019年度に家庭用燃料電池生産台数を自社累計20万台に伸ばすために、生産効率を上げたい
解決の仕組み生産実績などの各種指標をダッシュボードに表示して作業員が確認できるようにする
推進母体/体制パナソニック アプライアンス社、ウイングアーク1st
活用しているデータ工場における生産効率を示す各種指標など
採用している製品/サービス/技術ダッシュボードソフトウェア「MotionBoard」(ウイングアーク1st製)
稼働時期不明