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高級ブランド品買取のアプレ、商品の真贋判定サービスを事業化

DIGITAL X 編集部
2018年8月13日

高級ブランド品などの買取販売を手がけるアプレは、中古品市場などの高まりを受けて、商品の真贋を判定するサービスを新規事業として2018年9月から開始する。自社の商品鑑定ノウハウとNECの物体判別のAI(人工知能)技術を組み合わせることで、鑑定書と商品のすり替えなどを防止する。NECが2018年7月27日に発表した。

 アプレは、宝飾や貴金属、ブランド品などを販売・買取する企業。オークション事業や、商品の真贋/評価額の判定技能のセミナー/教育事業も手がけている。2018年9月から新規事業として開始するのが、「TALグレーディングレポート発行サービス」だ。

 新サービスでは、アプレの鑑定担当者が精密に鑑定した結果をレポートにまとめ、対象品の画像と関連付けて保存する。これにより、再び買取手続きが発生した際に、対象品の画像から過去の鑑定結果を参照できるため、改めての鑑定が不要になるほか、商品のすり替えなどを防げる。鑑定コストの削減や、鑑定担当者の業務負荷の削減が期待できる。

図1:TALグレーディングレポート発行サービスでは、鑑定対象を特定できる画像に鑑定結果を関連付けて保存する

 判定結果と画像との関連づけにNECのAI(人工知能)技術の1つである「GAZIRU個体識別サービス」を利用する。製品や部品の表面に必ず発生する微細な違いから個体を識別するサービスで、商品の撮影画像だけで個体を識別できることからICタグやバーコードを使う必要がなくなる。

 高級ブランド品市場は、中古品や並行輸入品などの二次流通市場は、ネットでの個人間取引なども加わり年々拡大している。一方で、模倣品が流通する可能性も高まっており、鑑定ニーズも高まっている。

 ただ現在は、買取行為が発生するたびに、専門家が鑑定しており、その際に作成した鑑定書も商品と同時に流通していないのが実状という。

デジタル変革(DX)への取り組み内容
企業/組織名アプレ
業種流通・小売り
地域東京都台東区
課題真正な鑑定書が付属するブランド品が少なく、買い取りのたびに鑑定が必要になる。鑑定書が他の商品と入れ替わっていることもある
解決の仕組み鑑定結果を対象品の画像に関連付けて管理する
推進母体/体制アプレ、NEC
活用しているデータアプレによる鑑定結果、対象商品を特定する画像データ
採用している製品/サービス/技術「GAZIRU個体識別サービス」(NEC製)
稼働時期2018年9月