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日本産婦人科医会、妊婦の遠隔健診の実証研究を実施

DIGITAL X 編集部
2020年5月15日

日本産婦人科医会がオンラインでの妊婦の遠隔健診の実証研究を2020年4月から始めている。2025年3月まで実施し、その有効性を確認する。実証研究のための機器を提供するメロディ・インターナショナルが2020年4月17日に発表した。

 日本産婦人科医会が進めるのは「在宅・遠隔胎児モニタリング」の実証研究。胎児の心拍および妊産婦の子宮収縮をネットワーク越しに医師がPCやスマートデバイスなどで確認し、院内での計測と同じデータが得られるか、異常の発見につながるかなどを定量的に検証する。

 モニタリングには、持ち運びが可能なIoT(Internet of Things:モノのインターネット)型胎児モニター「分娩監視装置iCTG」(メロディ・インターナショナル製を使う(写真1)。

写真1:IoT型胎児モニター「分娩監視装置iCTG」

 研究に合意した妊産婦は、iCTGの使用方法を医師・助産師の指導のもと医療機関の外来や病棟内で習得。帰宅後は自身で胎児の心拍と子宮収縮に関するデータを計測する。また妊産婦の救急搬送時にも胎児の状態をリアルタイムでモニタリングする実証も予定する。

 実験には、埼玉医科大学病院を主幹研究機関に、東京大学付属病院など全国13の共同研究医療機関が参加する(図1)。実証研究に当たっては、患者の同意を得たうえで、セキュリティ対策や個人情報保護に関して十分な対策を施して実施するとしている。

図1:「在宅・遠隔胎児モニタリング」共同実証研究に参加する医療機関

 近年は産婦人科を専攻する医師が減少し、産婦人科医師の地域遍在が起き、妊産婦の通院距離や通院時間が長くなっている。そうした課題の解消策として期待されているのが妊婦の遠隔健診だ。日本産婦人科医会は、遠隔検診の有効性と安全性を実証することで産婦人科領域における遠隔医療の構築を目指す。

デジタル変革(DX)への取り組み内容
企業/組織名日本産婦人科医会
業種医療・健康
地域埼玉県入間郡毛呂山町(主幹研究機関の埼玉医科大学病院)など
課題産婦人科を専攻する医師が減り地域遍在が起きたことで妊産婦の通院距離や通院時間が長くなっている
解決の仕組み在宅で胎児および妊産婦の健康状態をオンラインで健診する
推進母体/体制日本産婦人科医会(研究には埼玉医科大学病院を主幹研究機関とする全国13の医療機関が参加)
活用しているデータ胎児の心拍および妊産婦の子宮緊縮に関するデータなど
採用している製品/サービス/技術「分娩監視装置iCTG」(メロディ・インターナショナル製)
稼働時期2020年4月から2025年3月まで