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大東建託、建設現場の稼働状況をスマートメーターのデータを使って把握する実験を実施

DIGITAL X 編集部
2021年2月10日

大東建託は、建設現場の稼働状況をスマートメーターで取得する電力使用量データを基に把握する実証実験を、同データの活用法を検討している有限責任事業組合グリッドデータバンク・ラボと共同で実施した。建設現場の働き方改革につなげるのが狙い。2021年1月28日に発表した。

 大東建託が実施したのは、建設現場の稼働状況を、スマートメーターで取得する30分単位の電力使用データを使って、どの程度把握できるかの実証実験(図1)。カメラで撮影した映像データによる把握と比較・分析した。

図1:スマートメーターで得たデータから現場の稼働状況を可視化した例

 実験では、建設中の現場、8カ所を対象に約3カ月データを収集した。実際に建設現場で作業が行われたのが31日なのに対し、電力使用量データの分析では、稼働日は30日だと推測した。これに対しカメラデータを用いた稼働状況検知では3日間だった(図2)。

図2:カメラ画像とスマートメーターからの電力データを使った分析の比較

 グリッドデータバンク・ラボはスマートメーターが収集する電力データを社会課題の解決に生かすために2018年11月に設立された事業組合。東京電力パワーグリッド、関西電力送配電、中部電力、NTTデータを組合員に、140超の会員が参加している。

 スマートメーターは30分間隔で電力使用量を測定している。国の「エネルギー基本計画」に基づき、2024年度までに全事業所および全世帯に設置される予定になっている。同データは、2020年6月の電気事業法改正により、契約者本人の同意と個人情報保護法の遵守を前提に、第三者への提供が可能になる見込みだ。

 建設現場では、作業員の高齢化と若年層従事者の減少を背景に、働き手および現場監督者の不足が深刻な課題になっている。大東建託は、現場の稼働状況を詳細かつ効率的に把握する方法を確立することで、作業員がより効率的に働ける労働環境の実現を目指す。

デジタル変革(DX)への取り組み内容
企業/組織名大東建託
業種製造
地域東京都港区(本社)
課題建設現場の稼働状況を詳細かつ効率的に把握する方法を確立したい
解決の仕組み建設現場に設置したスマートメーターの電力使用量データを取得・分析する
推進母体/体制大東建託、グリッドデータバンク・ラボ
活用しているデータスマートメーターで取得する電力使用量データ
採用している製品/サービス/技術スマートメーター