• UseCase
  • 製造

レアメタル精製のブラジルCBMM、製品採用をうながすために顧客のテスト工程を支援するアプリを提供

DIGITAL X 編集部
2021年3月11日

レアメタルの一種であるニオブを生産・精製するブラジルのCBMMは、ニオブの採用を検討する自動車メーカーに対し、テスト工程を支援するアプリケーションを提供する。テスト工程のデジタル化を後押しすることで、ニオブの採用をうながすのが狙い。アプリケーション環境を提供する仏ダッソー・システムズの日本法人が2021年2月24日に発表した。

 ブラジルのCBMMは、レアメタルの一種であるニオブを生産・精製している。ニオブは、自動車メーカーが利用する鋼鉄など添加される。今回、ニオブを添加した材料を自動車メーカーがテストする際に利用できるアプリケーションの提供を開始した(図1)。テスト工程の迅速化を支援することで、ニオブの使用量を拡大し、売り上げ増につなげるのが目的だ。

図1:新プリケーションを使った材料テストの様子

 同社の戦略・新規事業開拓の責任者は、「アプリケーションの開発には物理的なテストを含めて長い場合は5年を要する。新しいアプリケーションを利用すれば1年足らずで完成できると見ている。テスト工程のデジタル化を支援する環境として自動車メーカーは、ニオブを用いた新材料やパーツを利用するためのデータにアクセスできる」と語る。

 CBMMがアプリケーションを提供するために導入するのは、設計からエンジニアリング、テスト、製造などのデータを単一環境で一元管理できる「3DEXPERIENCEプラットフォーム・オン・クラウド」(仏ダッソー・システムズ製)。バーチャル環境でのテストのほか、様々なパーツに材料を添加した際の応用や用途をシミュレーションしたり、耐久性や靱性・効率性を分析したりする機能を持つ。これらテストやシミュレーションのナレッジべースの作成も可能だ。

 すでに、新しいトラック構造や道路用器具の開発、高効率なディスクと支持具を備えたブレーキシステムの開発などのプロジェクトが進行しているという。

 CBMMは今後、3DEXPERIENCEプラットフォームをサプライチェーン管理や要員計画、自動採掘のシミュレーションの自動化・高速化などにも利用し、コストの削減や販売サイクルの短縮、商品化の加速を推し進める考えだ。

デジタル変革(DX)への取り組み内容
企業/組織名ブラジルのCBMM
業種製造
地域ブラジル・ミナスジェライス州(本社)
課題レアメタルの1種であるニオブの自動車メーカーへの販売を伸ばしたい
解決の仕組みニオブを添加した材料に対し自動車メーカーが実施するテスト工程をデジタル化するアプリケーションを提供する
推進母体/体制ブラジルのCBMM、仏ダッソー・システムズ
活用しているデータニオブや他の材料などのデータ
採用している製品/サービス/技術「3DEXPERIENCEプラットフォーム・オン・クラウド」(仏ダッソー・システムズ製)