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NEC、海外での通信機器のフィールドサービスの効率高める仕組みを展開へ

DIGITAL X 編集部
2021年3月9日

NECが海外市場での通信機器を対象にしたフィールドサービスを効率を高める仕組みを構築し、海外拠点への導入を進めている。2020年10月に中南米事業の統括拠点に導入したフィールドサービス用の管理ツールをグローバルに展開する。ツールを提供するスウェーデンIFSの日本法人が2021年2月15日に発表した。

 NECは無線通信機器事業をグローバルに展開している。5G(第5世代移動通信システム)時代を迎え、さらなる拡大を目指している。同事業では、通信機の設置や保守などのフィールドサービスの効率的な運営・提供が求められる。

 フィールドサービスの提供では、例えば中南米事業の統括拠点であるブラジルのNEC LatinAmericaでは、機器設置工事に伴う現場作業の品質向上と効率化が課題になっていた。具体的には、通信機器をビルの屋上や鉄塔に据え付け作業に携わる要員のスケジュール管理や、協力会社の保守要員との作業結果のタイムリーな確認、作業漏れに伴う現場への再訪問回数の増加などである。

 そこでNEC LatinAmericaでは、フィールドサービスの管理システムを2020年10月に構築・導入した。工事の進捗をリアルタイムに把握したり、モバイルを活用し作業効率を高めたりを実現した。

 新システムによりNECは、工事期間の短縮と現場での作業品質の向上、報告書類作成業務の効率化などによってプロジェクトの損益向上を図る。

 NECは今後、同システムを中南米のアルゼンチン、メキシコなどのほか、インドネシアやEU(欧州)などの海外拠点にも導入していく予定である。

 同社サプライチェーン統括本部の澤永 正行シニアマネージャは、「5Gなどのグローバルビジネスの拡大に向けては、機器の納入だけでなく、トータルなソリューション提供が必須になっている。フィールド作業のマネジメント強化はサプライチェーンの強化にとどまらず、顧客満足度向上のための重要なポイントだと考えている」と話す。

 フィールドサービスの管理システムには、スウェーデンのIFSが提供する「Field Service Management(FSM)」を導入した。FSM採用の理由を澤永シニアマネージャは、「当社ニーズに応えるプロセス・タスク管理やフィールド作業の品質・効率性向上の機能を備えていたため」としている。

デジタル変革(DX)への取り組み内容
企業/組織名NEC
業種製造
地域ブラジル・サンパウロ(NEC Latin America本社)
課題無線通信機器を対象にしたフィールドサービスの高品質化・効率化を図りたい
解決の仕組み工事進捗のリアルタイム把握やモバイル活用によって、作業の効率化を図る
推進母体/体制NEC、スウェーデンのIFS
活用しているデータ作業要員のスケジュール、工事の進捗情報など
採用している製品/サービス/技術フィールドサービス管理ツール「FieldServiceManagement」(IFS社製)
稼働時期2020年10月(NEC Latin Americaでの稼働時期。グローバルに順次展開する予定)