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KDDI、au事業など個人向けビジネスのデジタル変革を進め新たな顧客体験の提供へ

DIGITAL X 編集部
2021年5月18日

KDDIは、auなど個人向け事業において、新たな顧客体験を提供するためのデジタル変革に乗り出している。店舗やスマートフォン用アプリケーションといった顧客接点となるサービスを継続的に開発・提供するために、アジャイル開発への取り組みを加速するほか、デジタル関連人材の育成にも力を入れる。取り組みを支援するアクセンチュアが2021年4月15日に発表した。

 KDDIは、パーソナル事業におけるデジタル変革の柱に、顧客体験を起点として新たな体験価値の創出を位置付ける。そのためにスマートフォン用アプリケーションやAI(人工知能)チャットボットなどのデジタルツールだけでなく、実店舗の刷新にも取り組んでいる。

 スマホアプリ「My au」は2021年2月に刷新した。通信サービスに加え、eコマース金融などの非通信系サービスを含めた利用状況を一元的に確認できるようにするとともに、各種手続きや問い合わせをスマホ上で完結できるようにした。

 それに先行して、顧客向けAIチャットボットの機能を2020年12月に強化した。AI技術を使って顧客の問い合わせ内容から意図を理解し、顧客の利用状況などを参照しながら、より的確な回答を自動で返せるようにした。従来は、問泡絵者が探している情報に該当するWebページに誘導する機能を提供してきた。

 実店舗も見直している。その第1弾となる「auみなとみらい」を横浜・みなとみらいで2020年8月にリニューアルオープンした(図1)。

図1:横浜みなとみらいにリニューアルオープンした「au みなとみらい」

 auみなとみらいを利用する顧客は、事前にオンラインでスマホの機種や料金プランを選択しておけば、店頭ではセルフ端末を操作して商品を購入したり受け取り手続きができる(図2)。

図2:auみなとみらいの店頭に置かれるセルフ端末の利用イメージ

 一連の顧客接点の見直しには、アクセンチュアと共同で取り組んでいる。My auアプリでは、顧客体験の設計とUI(User Interface)のデザイン、システム開発を依頼し、AIチャットボットではアクセンチュアの「AI Poweredコンタクトセンターのサービス」を採用した。店舗リニューアルでは、店舗とオンラインを組み合わせた顧客体験の設計からシステム開発、UI、内装デザインまでの支援を受けている。

 新サービスの開発・提供するためのテクノロジー基盤には、「アクセンチュア コネクテッド テクノロジー ソリューション」を採用。社内外システムとの連携や新たなビジネスロジックの開発に、大規模アジャイルの開発手法を取り入れている。

 これらのデジタル変革に向けた取り組みを継続するために、人材育成にも注力する。ここでもアクセンチュアが、AIやアナリティクスなどのテクノロジー分野と顧客体験などの分野における実践形式のトレーニングプログラムを提供しているという。

デジタル変革(DX)への取り組み内容
企業/組織名KDDI
業種通信
地域東京都千代田区(本社)
課題新たな顧客体験を創出したい
解決の仕組み新たなスタイルの店舗を開発すると同時に、AIチャットボットやスマートフォン用アプリケーションを刷新する。そのためにアジャイル開発およびデジタル関連の人材を育成する
推進母体/体制KDDI、アクセンチュア
活用しているデータauの顧客との契約内容や問い合わせ内容、サービスの利用状況など
採用している製品/サービス/技術「AI Poweredコンタクトセンター」および「アクセンチュア コネクテッド テクノロジー ソリューション」(アクセンチュアが提供)
稼働時期2020年8月(au みなとみらいのリニューアルオープン時期)、2020年12月(AIチャットボットの機能強化時期)、2021年2月(「My au」アプリの刷新時期)