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岩手県宮古市、密漁対策への水上ドローン活用を実証実験

DIGITAL X 編集部
2021年7月20日

岩手県宮古市は、密漁対策として水上ドローンを利用する実証実験を開始する。遠隔操作により密猟対策の省人化・低コスト化を目指す。水上ドローンを提供する炎重工が2021年7月7日に発表した。

 岩手県宮古市が取り組むのは、密漁対策に水上ドローン(自動運転船舶ロボット)を活用する実証実験。水上ドローンと遠隔操作システム、および密漁対策に有効な機器を連動させることで、密漁被害の低減に加えて、監視など密漁対策における省人化や低コスト化を目指す(図1)。

図1:密漁対策として水上ドローンと遠隔操作システムを組み合わせる

 水上ドローンには、屋外環境向け制御システムなどを手掛ける炎重工(岩手県滝沢市)が開発する「Marine Drone」を利用する(図2)。作業目的に応じて種々の機器と連携し、水辺の移動や作業の自動化、水上作業の効率化を可能にするという。

図2:炎重工が開発する水上ドローン「Marine Drone」の外観

 Marine Droneの基本ソフトウェア(OS)には、総務省の「異能vation」プログラムの支援を得て、情報セキュリティや安全性を高めた高信頼性組み込みOSを搭載する。自律移動のための制御系なども、OSS(オープンソースソフトウェア)を使わずに開発した。

 炎重工によれば、近年、主に高級食材を狙った密漁が問題になっており、2020年12月1日には新漁業法が施行され密漁への罰則が強化された(図3)。岩手県でも密漁被害が増加している。密漁は平日・土日に関係なく、夜間に起こるケースも多く、監視などの対策に多くの労力を要している。

図3:密漁の検挙件数の推移(出所:『密漁を許さない−沿岸密漁の対策について−』、水産庁)

 なお今回の実証事業は、経済産業省の「令和3年度グローバル・スタートアップ・エコシステム強化事業費補助金」に採択されている。

デジタル変革(DX)への取り組み内容
企業/組織名岩手県宮古市
業種公共
地域岩手県宮古市
課題密漁被害が増加しており、その対策に多くの労力がかかっている
解決の仕組み水上ドローンと遠隔操作システ、密漁対策機器を連動させる
推進母体/体制岩手県宮古市、炎重工
活用しているデータ−−
採用している製品/サービス/技術水上ドローン「Marine Drone」(炎重工製)、遠隔操作システム、密漁対策に有効な機器
稼働時期−−