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鴻池組、建設工事の遠隔検査と帳票連携にMR技術の活用を実証

DIGITAL X 編集部
2021年9月10日

鴻池組は、建設工事における遠隔からの検査と計測結果の帳票連携にMR(複合現実)技術を利用する仕組みの実証実験を実施した。新築工事の生産性向上を図る取り組みの一環だ。MR技術を提供するインフォマティクスが2021年9月2日に発表した。

 鴻池組は現在、大阪市に新しい環境・土木分野の研究開発拠点となる「KONOIKEテクノセンター」を建設している。今回、同センターの新築工事において、遠隔臨場にMR(Mixed Reality:複合現実)技術を利用する実証実験を実施した(図1)。遠隔臨場とは、動画撮影用カメラとWeb会議システムなどを使って建設現場の段階確認や材料確認、立会を遠隔から実施するものだ。

図1:工事現場で計測作業を行う現場作業者

 今回の実証では、新築工事の基礎・地中の梁の出来高検査および計測結果をMRデバイスが持つ自己位置推定機能を使って、現場作業者の現在位置をリアルタイムに把握しながら遠隔から指示を出せるようにした。従来のWebカメラを用いた仕組みでは、モニター画面に映った現場の映像と手元の細かい図面を照合しながら指示を出す必要があった。

 併せてMRデバイスが持つ通信機能を使った帳票連携も実証した。デジタルメジャーの測定値をスプレッドシートに連携させることで、正式な記録として求められる精度での検査記録とリアルタイムな合否判定ができることを確認したという(図2)。

図2:デジタルメジャーの測定値を連携させた検査記録の画面例

 実験では、MRデバイスには米マイクロソフト製の「HoloLens」を、遠隔臨場の仕組みにはMRソフトウェアの「GyroEye Holo」(インフォマティクス製)をそれぞれ使用した。

デジタル変革(DX)への取り組み内容
企業/組織名鴻池組
業種製造
地域大阪市(KONOIKEテクノセンター)
課題建設工事の生産性向上の一環として遠隔臨場を広めたい
解決の仕組みMR技術を用いて現場担当者の位置を把握したり、デジタルメジャーによる測定値を帳票にリアルタイムに連携させたりする
推進母体/体制鴻池組、インフォマティクス
活用しているデータ工事の基礎・地中の梁の出来高検査を担当する現場作業者の現在位置情報や計測結果などの情報
採用している製品/サービス/技術MRデバイス「HoloLens」(米マイクロソフト製)、MRソフトウェア「GyroEye Holo」(インフォマティクス製)
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