• UseCase
  • 流通・小売り

オートバックスセブン、EC事業拡大に対応しつつ在庫の20%減を目標にAIを使う物流基盤を構築へ

DIGITAL X 編集部
2022年5月2日

カー用品のオートバックスセブンは、AI(人工知能)技術を使う物流基盤の構築に着手した。EC(電子商取引)事業のための小口配送に対応しながら、在庫を2026年末までに現在比で20%削減する。そのために、物流システムを提供するGROUNDと提携した。2022年1月26日に発表した。

 カー用品専門店を展開するオートバックスセブンがAI(人工知能)技術を利用する物流基盤の構築に着手した。EC(電子商取引)事業の拡大に向けて新設する物流センターを含め、在庫量を2026年末までに現在比で20%削減するのが目標だ。そのために物流システムを提供するGROUNDと中長期的な戦略的業務提携契約を締結した(図1)。

図1:複数の物流拠点を統合管理する新基盤を構築する

 オートバックスは物流拠点として「東日本ロジスティクスセンター」と「西日本ロジスティクスセンター」を運営している。さらにEC事業の拡大に向けた小口配送への対応を強化するための物流センターも新設する。開発する物流基盤では、これら3拠点の在庫を一元的に管理し、全体としての最適化を図り利益の拡大を図る。

 具体的には、(1)複数拠点の在庫の可視化と在庫、(2)データに基づく需要予測、(3)小口配送へ対応の進める。可視化では、在庫数量や保管期間、商品ごとの保管コストを算定し、結果を商品調達時の判断材料の1つにする。

 需要予測では、店舗のPOS(販売時点情報管理)データや在庫情報、販売企画情報・季節要因といったデータを活用し、仕入れと入庫の最適化を目指す。

 これらを実現するための物流基盤には、業務提携したGROUNDが提供する「GROUND Warehouse Execution System(GWES)」を採用する(図2)。

図2:「GROUND Warehouse Execution System(GWES)」の構成

 GWESは、共通データ基盤とAI技術を適用した各種機能モジュール群で構成されるWarehouse Execution System(倉庫実行システム)で、各種マテハン機器やロボットなどのハードウェアと、倉庫管理・倉庫制御といったシステムと連携し、動作する。

デジタル変革(DX)への取り組み内容
企業/組織名オートバックスセブン
業種流通・小売り
地域東京都江東区(本社)
課題EC事業の拡大に伴い小口配送に対応する必要が高まるなかで、複数ある物流拠点全体として在庫効率を高めると共に、データに基づいて仕入れを最適化したい
解決の仕組み複数の物流拠点の在庫を一元的に管理するとともに、各種データから需要を予測し、仕入れなどの判断材料にする
推進母体/体制オートバックスセブン、GROUND
活用しているデータ複数の物流拠点在庫数情報、店舗のPOSデータと在庫情報、販売企画情報、季節要因など
採用している製品/サービス/技術物流施設の統合管理システム「GROUND Warehouse Execution System(GWES)」(GROUND製)
稼働時期2022年1月(新物流情報管理基盤の構築開始時期)