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ヤマト運輸、デジタルキーを使った自動車への荷物の配達を実証実験

DIGITAL X 編集部
2022年5月4日

ヤマト運輸は、駐車中の自動車に荷物を配達するために、スマートフォンを自動車の鍵として使用する「デジタルキー」の実証実験を実施した。荷物の受け取り方法の選択肢を広げ利便性の向上を目指す。トヨタ自動車とKDDI、プライム ライフ テクノロジーズが参加する。2022年2月1日に発表した。

 ヤマト運輸が実施するのは、スマートフォンを自動車の鍵として使用する「デジタルキー」を使って、駐車中の自動車に荷物を配達する仕組みの実証実験(図1)。荷物の受け取り方法の選択肢を広げるのを目的に、デジタルキーを使ったオペレーションの実現性を検証する。

図1:「デジタルキー」を使った自動車への置き配の実証実験の概要

 実験は、東京都と愛知県に居住するトヨタ自動車の車両の所有者を対象に、2022年2月1日から4月30日までの予定で実施した。参加者の自動車にはデジタルキーで解錠可能な専用デバイスを設置する。

 参加者はEC(電子商取引)サイトで商品を購入した際に、ヤマト運輸の配送サービス「EAZY」のなかで配達場所を「車内への置き配」を指定する。トランクや助手席、後部座席なども指定できる。

 担当の配達員は、参加者によって所定の時間だけ利用を許可されたデジタルキーを使って車両を解錠し商品を指定場所に置き配する。

 ヤマト運輸は今後、自社開発した複数社のデジタルキーを同時に管理できる「マルチデジタルキープラットフォーム」と連携させ、車への置き配という新たな受け取り方を提供していく。

 実験では、KDDIが利用者と配達員が利用するスマートフォン用アプリケーションとIoT(Internet of Things:モノのインターネット)サービスプラットフォームを、トヨタ自動車がデジタルキーを、それぞれ提供した。プライム ライフ テクノロジーズは、実施エリアを提案し参加者とのマッチングとサービスの受容性調査の企画を担当した。

 KDDIは本実験で使用したシステムを他業界の法人顧客にも提供するとしている。

デジタル変革(DX)への取り組み内容
企業/組織名ヤマト運輸
業種物流
地域東京都と愛知県
課題多様化する配達ニーズに対応するために様々な荷物の受け取り方を提供したい
解決の仕組みスマホを車の鍵の代替にできる「デジタルキー」を使って、駐車中の自動車への置き配を可能にする
推進母体/体制ヤマト運輸、トヨタ自動車、KDDI、プライム ライフ テクノロジーズ
活用しているデータECサイトで注文時の配達指定情報、置き配する車の車両情報など
採用している製品/サービス/技術スマートフォンを自動車の鍵として使用する「デジタルキー」(トヨタ製)、IoTサービスプラットフォーム(KDDI製)
稼働時期2022年2月1日から4月30日までの予定(実証実験の期間)