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カワサキモータース、製造ラインでの作業時間をAIで分析する仕組みを本格導入へ

DIGITAL X 編集部
2023年12月12日

川崎重工業グループでオートバイを製造するカワサキモータースは、組み立てラインで作業内容をAI(人工知能)技術で分析し、作業時間を測定する仕組みを本格導入する。ラインへの作業者の配置を最適にするのが目的だ。分析用AIを共同開発するフツパーが2023年11月1日に発表した。

 オートバイを製造するカワサキモータースが導入するのは、オートバイの組み立てラインでの作業状況を撮影し、その映像をAI(人工知能)技術で分析することで作業者の作業時間を計測する仕組み(図1)。遅延カ所を特定し作業をサポートできる体制を整備するなど、需要や目的に合わせて人員を最適配置するのが目的だ。

写真:組み立てラインでの作業者の動きを撮影しAI(人工知能)技術で分析する

 既に一部の製造現場での実証実験を終えており、本格導入に向けた準備を進めている。今回実証した仕組みに新機能を追加することで他の作業所や事業所への水平展開を目指す。

 映像は、工場内になるネットワークカメラで撮影する。組み立て中のオートバイや工具なども撮影し、AI分析により、それぞれと作業者の関係性も読み取ることで、作業のポイントを把握する。分析用のAIモデルは、製造業向けにAIサービスを提供するフツパーの協力を得て開発した。ドリルや工具箱などで作業者や手元が隠れてしまう場合でも、動的な作業時間を測定できるようにしたという。

 カワサキモータースはこれまでも、製造対象の種別や製造時期などに合わせて生産工程の最適化を図ってきた。だが組み立て作業は人手に依存しており、ラインによって人数が異なる作業者の作業時間は手動で計測していた。

デジタル変革(DX)への取り組み内容
企業/組織名カワサキモータース
業種製造
地域兵庫県明石市(本社)
課題手作業への依存度が高い組み立てラインで働く作業者の配置を、製造対象の種別や製造時期などに応じて最適化したい
解決の仕組みネットワークカメラの映像から、組み立て作業に関わってる作業員の作業状況をAI技術を使って分析し作業時間を測定する
推進母体/体制カワサキモータース、フツパー
活用しているデータネットワークカメラの映像
採用している製品/サービス/技術ネットワークカメラ、作業分析用AIモデル
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