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デンカ、大牟田工場のデジタルツイン化視野にローカル5G環境を構築へ

DIGITAL X 編集部
2024年12月17日

デンカは、大牟田工場(福岡県大牟田市)のデジタルツイン化を見据え、ローカル5G(第5世代移動体通信)環境を構築する。2025年1月から試験運用を開始し通信品質などを評価する。工場内でのハンディ端末の利用や設備検針の自動化に利用したい考えだ。導入を支援する三井情報が2024年12月11日に発表した。

 デンカは、大牟田工場(福岡県大牟田市)において、データ活用基盤を構築し工場のデジタルツイン化を目指している。その一環として、工場内にローカル5G(第5世代移動体通信)環境を構築する。工場内の無線環境を整備し、ハンディ端末などのモバイル端末を利用したり、製造設備の目視検針を自動化したりすることで労働生産性の向上を図るのが目的だ。

 ローカル5G環境は、2024年10月から三井情報の支援の下、構築を始めている。2025年1月からエリア品質評価および試験運用を開始し、2026年3月末をめどに工場全体で運用する計画である。

 品質評価では、基地局アンテナから電波が届きにくい環境でのカバー状況を評価する。密集する建屋に強度がさえぎられる屋外や、製造設備が障害物になりやすい屋内などが対象である。

 大牟田工場は沿岸部に位置し、広大な敷地を持っている。そのためキャリア網の電波が届きにくく、無線通信の利用が進んでいなかった。また有線インフラは、建屋を建て替えるたびに工事が発生し敷設コストが課題になっていた。

 デンカは、長期経営計画「Mission 2030」において、「DX(デジタルトランスフォーメーション)を重要戦略に位置づけている。デジタル技術やロボットを導入し、ビジネスモデルや組織の変革を目指す。今回のローカル5G環境の導入はその一環である。

デジタル変革(DX)への取り組み内容
企業/組織名デンカ
業種製造
地域福岡県大牟田市(大牟田工場)
課題工場のデジタルツイン化を実現し労働生産性を高めたいが、大牟田工場はキャリヤ網による電波が届きづらく、有線インフラは敷設コストがかかる
解決の仕組みローカル5G環境を構築し、工場内でのハンディ端末の利用や製造設備の検針自動化を可能にする
推進母体/体制デンカ、三井情報
活用しているデータハンディ端末などでやり取りするデータや、製造設備から得られるデータなど
採用している製品/サービス/技術ローカル5G
稼働時期2026年3月末(2025年1月から試験運用を開始)