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給湯器のノーリツ、明石本社工場のスマートファクトリー化に向けMESを導入

DIGITAL X 編集部
2025年1月7日

ノーリツは2024年12月、明石本社工場のスマートファクトリー化を目的にMES(Manufacturing Execution System:製造実行システム)の本格運用を開始した。工場内のデータを集約し全体の状況を把握することで生産効率を高めるのが目的だ。2024年12月17日に発表した。

 ノーリツの明石本社工場(兵庫県明石市)では、給湯器を生産している。同工場のスマートファクトリー化に向けてMES(Manufacturing Execution System:製造実行システム)を導入した(写真1)。現場のデータを集約し、生産プロセスの最適化に取り組む。2024年10月にテスト運用を開始し、同年12月から本格運用を始めている。

写真1:ノーリツは明石本社工場にMESを導入した

 MESの導入により、(1)工程管理、(2)トレーサビリティ(追跡可能性)、(3)自動化基盤の3つに取り組む。工程管理では、BOP(Bill of Process:工程表)を用いて作業時間やリソースの使用状況、単価などを管理し、計画と実績を比較する。作業手順やリソース配分を見直し、無駄な工程や過剰なリソースの使用などを削減する。原価の適正化によるコスト削減も図る。

 トレーサビリティでは、製品シリアル番号と部品のシリアルロット番号を紐づけ、生産状況の可視化と不良品の特定を可能にする。問題の早期発見のために設備装置や検査ログとも紐づけ、ロット番号から不良品を特定できるようにし製品品質の安定を図る。

 自動化基盤では、AGV(Automatic Guided Vehicl:無人搬送車)やAMR(Autonomous Mobile Robot:自律走行搬送ロボット)などの自動搬送装置や、生産設備との連携を可能にする。工場全体の自動化を進め生産能力の向上を図る。

 MESには「DELMIA Apriso(デルミア アプリソ)」(仏ダッソー・システムズ製)を採用した。導入にはコベルコシステムの支援を受けた。

 ノーリツは、2030年に向けた中期経営計画「Vプラン26」において「事業ポートフォリオの変革」を重点戦略の1つに掲げている。スマートファクトリー化は、その一環。自働化ラインの構築準備と現行ラインでの原価改善に取り組み、2026年までに30億円の原価低減を目指す。

デジタル変革(DX)への取り組み内容
企業/組織名ノーリツ
業種製造
地域兵庫県明石市(明石本社工場)
課題工場全体の稼働状況を可視化し、生産プロセスを最適化し原価を低減したい
解決の仕組みMESを導入し、工程管理やトレーサビリティの実現、自動化基盤の整備を図り、生産効率を見直す
推進母体/体制ノーリツ、コベルコシステム
活用しているデータ製品のシリアル番号や部品のロット番号、設備の稼働状況、従業員の作業時間やリソースなど
採用している製品/サービス/技術MES「DELMIA Apriso」(仏ダッソー・システムズ製)
稼働時期2024年12月(MESの運用開始時期)