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ヤマトコンタクトサービス、配送状況のメール問い合わせに答える生成AIシステムを構築
ヤマトグループでコンタクトセンター業務を担うヤマトコンタクトサービスは、配送状況に関するメール問い合わせに回答する生成AI(人工知能)システムを構築した。対応業務の20%を自動化できるという。システム構築を支援した日本オラクルが2025年7月7日に発表した。
ヤマトグループのヤマトコンタクトサービスが構築したのは、コンタクトセンター業務において、配送状況に関するメールでの問い合わせに回答するための生成AI(人工知能)システム。問い合わせに対してFAQ(よくある質問と答)から、より最適な回答を検索し提示することで、顧客自身による自己解決を促す。
新システムの稼働後は、最適な回答を提示できる割合が従来の約2倍となる85%まで高められ、メールでの問い合わせへの対応業務の約20%を自動化できたとしている。
生成AIシステムは、問い合わせフォームからの問い合わせがあると、その内容の意味をAI技術で解析し、FAQに対するキーワード検索と意味検索を同時に実行することで、提供しているサービスの種類や顧客属性に基づいて適切な回答を絞り込む。併せて。ベクトル検索とRAG(Retrieval Augmented Generation:検索拡張生成)により、より文脈に即した回答を生成する。
EC(電子商取引)の急増により荷物の配送状況に関する問い合わせが増加している。FAQの回答も増やしているものの、物流業界特有の言い回しが検索精度に影響し、顧客自身での解決につながっていない。
同システムは、社内のオペレーターが利用するFAQにも適用している。問い合わせ対応の過程で得られた知識を随時、生成AIシステムに蓄積・共有することで、オペレーターによる対応品質と生産性の向上にもつながるとしている。
システムは、生成AIサービスの「Oracle Cloud Infrastructure(OCI)Generative AIサービス」(米オラクル製)とデータベースの「Oracle Database 23ai」(同)を使って構築した。属性検索と意味検索には、「Oracle Autonomous Database」(同)が持つ「Oracle AI Vector Search」の機能を利用している。
生成AIシステムの提案段階からKPI(Key Performance Indicator:重要業績評価指標)の設計までを日本オラクルのコンサルティング・サービス部門が支援した。
企業/組織名 | ヤマトコンタクトサービス |
業種 | 物流 |
地域 | 東京都豊島区(本社) |
課題 | ECの急拡大により荷物の配送状況に関する問い合わせが増加しているが、FAQを増やしても物流業界特有の言い回しが残り、顧客が求める回答にたどり着けない |
解決の仕組み | 生成AI技術を使って、メールによる問い合わせ内容の意味を把握し、それに基づいてFAQを検索することで、より最適な回答を提示し顧客自身による解決を促す |
推進母体/体制 | ヤマトコンタクトサービス、日本オラクル |
活用しているデータ | 荷物の配送状況に関する顧客からの問い合わせメール、FAQ |
採用している製品/サービス/技術 | 生成AIサービス「Oracle Cloud Infrastructure(OCI)Generative AIサービス」(米オラクル製)、データベース「Oracle Database 23ai」(同)、属性検索と意味検索の「Oracle AI Vector Search」(同) |
稼働時期 | -- |