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清水建設が業務用AIエージェントを全社導入へ、市民開発も展開

DIGITAL X 編集部
2025年7月14日

清水建設はAI(人工知能)エージェントを全社導入する。すでに利用者数は2000人を超えたという。市民開発により各部門が必要とするAIエージェントのカスタマイズも進める。全社で業務効率を高めるのが目的だ。AIエージェントを提供するLightblueが2025年7月4日に発表した。

 清水建設が導入するのは、建設現場を含む業務現場で利用するAI(人工知能)エージェント。RAG(Retrieval-Augmented Generation:検索拡張生成)機能を使った自社文書の検索・参照が可能で、各部門の特定業務や知識に特化したカスタマイズも図る。

 2024年7月に実施した首都圏の建設現場でのトライアル導入では、RAG機能により施工要領書や基準書などを検索・参照する「技術アシスタント」を開発した。検索時間の短縮に加えて、若手スタッフへの知識継承を促進できると判断し、全社導入を決定したという。

 全社導入に向けては、2025年2月に先行ユーザーへのトライアルを開始し、2025年4月からは希望者を対象に順次展開してきた。2025年5月からは説明会やハンズオンセミナーを開催したことで利用者数は2000人を超えた。今後は、事例の共有やハッカソンを通じて、さらなる利用拡大と、各部門が市民開発的にAIエージェントを改良・開発し業務を改善することを目指す。

 AIエージェントには、スタートアップのLightblueが企業の社内活用に特化して提供する「Lightblue Assistant」を採用した。RAG機能による独自データの活用のほか、業務特化のチャットボットも作成できる。シングルサインオンなど運用機能も備え、清水建設は部門別のAIエージェントの開発・運用を想定した強固なセキュリティ対策と柔軟な運用が可能になるとみている。

デジタル変革(DX)への取り組み内容
企業/組織名清水建設
業種製造
地域東京都中央区(本社)
課題各部門において、それぞれの業務課題を改善していきたい
解決の仕組み部門ごとにカスタマイズできるAIエージェントを全社に導入する
推進母体/体制清水建設、Lightblue
活用しているデータ施工要領書や基準書などの技術関連情報、各部門が持つ種々の文書
採用している製品/サービス/技術AIエージェントサービス「Lightblue Assistant」(Lightblue製)
稼働時期2025年2月(先行ユーザーへの試験導入開始時期)