• UseCase
  • 製造

カヤバ、油圧機器の予防保全に向け作動油の状態を遠隔監視するシステムを提供開始

ANDG CO., LTD.
2026年5月11日

カヤバは、工場設備や油圧機器に使う作動油の状態を遠隔から監視・診断するシステムを2026年3月31日から提供開始している。センサーで取得した作動油データをWebアプリケーションで可視化し、劣化兆候や異常変化を継続的に監視する。保守体制をCBM(Condition Based Maintenance:状態基準保全)へ移行し、突発停止の防止や保全業務の効率化につなげる。同日に発表した。

 カヤバは、建設現場の重機やクレーン、車のサスペンションなど、各種機器の動作を支える油圧機器を製造・販売している。工場設備などの保全向けに、油圧機器に使う作動油の状態を遠隔監視・診断する「油状態診断システム」を2026年3月31日から提供開始している(図1)。設備状態に応じて保全を実施するCBM(Condition Based Maintenance:状態基準保全)へと移行し、突発停止の防止やメンテナンス業務の省人化を図るのが目的だ。

図1:カヤバの「油状態診断システム」の概要

 油圧機器は、作動油を高圧で循環させることで機械を動かす。このため、作動油に水分や異物が混入したり、参加によって劣化したりすると、危機本来の性能を発揮しにくくなる。例えば、水分混入による白濁や、酸化による変色が進むと、危機の摩耗や故障につながるおそれがある。

 そこで油状態診断システムでは、油圧作動油、生分解性作動油、エンジンオイル、減速機などのギアオイル、各種加工油などを対象に、作動油の状態を示す比誘電率と導電率をセンサーで測定する。データを継続的に取得・分析することで、油の劣化度合いや異常兆候を把握する。センサーで取得したデータは通信機器を介してクラウドへ送信し、Webアプリケーション上で時系列に可視化する。

 カヤバ側でも取得データを常時監視し、異常を検知した場合にはレポートとしてユーザーに通知する「トレンド診断サービス」を用意する。専門的な油分析の知識がなくても、診断結果を基に適切なメンテナンス判断を進められるとする。

 オプションとして、カヤバのグループ会社でオイル分析を手掛けるジャパン・アナリストによる「性状分析サービス」も提供する(図2)。実際の油サンプルを分析データと照合することで、診断精度の向上を可能にする。

図2:収集データを利用した「トレンド診断サービス」や「性状分析サービス」提供によるサポート体制の概要

 作動油は一般に、3カ月や1年ごとの定期交換や、または2000〜4000時間といった稼働時間での点検・交換が主流だった。しかし、ルーティン型のメンテナンスでは、交換周期の間に発生する突発的な不具合や、メンテナンス漏れによる動作不良に対処しにくいという課題があった。

 油状態診断システムは、センサーや通信機器、Webアプリケーション、診断サービスを組み合わせ、月額課金制で提供する。

デジタル変革(DX)への取り組み内容
企業/組織名カヤバ
業種製造
地域東京都港区(本社)
課題油圧機器のメンテナンスは定期交換が中心で、突発的な不具合やメンテナンス漏れに対応できない
解決の仕組みセンサーで取得した油の状態を示す比誘電率や導電率データをクラウドに収集し、Webアプリケーション上で可視化・分析するシステムを提供する。作動油の劣化兆候や異常変化を継続監視するCBM(状態基準保全)への移行を進め、油圧機器の停止を防止するとともに、メンテナンス効率を高める
推進母体/体制カヤバ、ジャパン・アナリスト
活用しているデータ油圧機器に使う作動油の比誘電率、導電率などの状態データ
採用している製品/サービス/技術油状態センサー、油状態データを利用する「トレンド診断サービス」(カヤバが提供)、「性状分析サービス」(ジャパン・アナリストが提供)
稼働時期2026年3月31日(提供開始時期)