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モジュラー住宅のカナダMODS、住宅供給拡大に向け工場生産と現地施工をクラウド連携
モジュラー住宅を手掛けるカナダMODSは、住宅開発全体をデジタル空間上で統合管理するクラウド基盤を導入した。設計、調達、工場生産、現地施工までを並列で進めることで、工期の短縮とコスト削減による住宅供給の拡大を図る。仏ダッソー・システムズが2026年3月12日(米国時間)に発表した。
カナダでモジュラー住宅を手掛けるMODSが導入したのは、住宅開発全体をデジタル空間上で統合管理するためのクラウド基盤。設計、調達、工場生産、現地施工までを並列で進めることで、建築の工期短縮とコストの抑制を図り、住宅供給不足に応えるための開発を加速するのが目的だ。
モジュラー住宅は、工場で部材やユニットを製造し、現地で組み立てる建築手法。カナダ国内で深刻化する住宅不足の解決手法として期待されている。
そこでクラウド基盤では、設計から建築、施工計画、調達などの種々の情報を統合する。建設前にはデジタル空間上で施工計画や部材構成などを検証し、施工手順や資材調達の最適化にも取り組む。それにより、収益化と入居開始までの期間を最大50%短縮するほか、モジュラー工法における総コストを10~20%削減する。
さらに、工期短縮によって内部収益率(IRR:Internal Rate of Return)の改善を図り、利息の負担や保有コストを抑制する。住宅の完成と収益化を前倒しすることで、資金回収を早め、リファイナンス(借り換え)や次期開発への投資を進めやすくする。
クラウドは、仏ダッソー・システムズ(Dassault Systèmes)の製造業向けクラウド「3DEXPERIENCEプラットフォーム」を採用している。すでに、デジタルツイン基盤やサプライチェーン管理サービス、AIエージェントなどの機能を利用して、総額5億ドル規模の建設プロジェクトへの適用を決定している。
さらに、ダッソー・システムズが継続的な保守や技術更新を担うサービスモデル「Virtual Twin-as-a-Service(VTaaS)」を採用した。システム更新や運用負荷を抑えながら、継続的に機能拡張を進める。
一般に住宅建設は、土地の取得後に基礎工事、建設工事へと工程が直線的に進むため、前工程の遅延が後工程に波及しやすい。長期化する工期や変動するコストにより、収益化までの期間が予測しにくかった。
カナダの住宅金融公社(CMHC:Canada Mortgage and Housing Corporation)は、住宅を手頃な価格で供給するためには2030年までに350万戸の住宅建設が新たに必要と試算している。
| 企業/組織名 | MODS |
| 業種 | 製造 |
| 地域 | カナダ・ケベック州ラヴァル |
| 課題 | 住宅不足への対応に向け、集合住宅開発の工期短縮とコスト抑制が求められている。一方、従来の直線型プロセスでは工程遅延が発生しやすく、コストや収益化時期を予測しにくかった。 |
| 解決の仕組み | 設計、調達、工場生産、現地施工などデータを統合するクラウド基盤を導入し、モジュラー住宅建設の工期短縮とコストの抑制を図る。デジタルツインで施工計画などを事前検証するとともに、工場生産と現地施工を並行して進められるようにする |
| 推進母体/体制 | カナダMODS、仏ダッソー・システムズ |
| 活用しているデータ | モジュラー住宅の建築設計、施工計画、部材構成、調達、サプライチェーン、工場生産などのデータ |
| 採用している製品/サービス/技術 | 製造業向けクラウド「3DEXPERIENCEプラットフォーム」(仏ダッソー・システムズ製) |
| 稼働時期 | -- |