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小田急箱根、ロープウェイ運行判断のため強風リスクを予測するAIサービスを導入
小田急箱根は、箱根ロープウェイの運行管理に強風を予測するAIサービスを2026年4月15日に導入した。最大瞬間風速や一定風速を超える確率を予測し、強風時の運転中止や再開判断の精度向上につなげることで安定運行を図る。同日に発表した。
小田急箱根が運営する箱根ロープウェイに2026年4月15日に導入したのは、強風による運行判断を高度化するためのAI(人工知能)サービス。風の影響を事前に把握し、運行管理部門が運転中止や再開のタイミングを検討できるようにして、安全性と運行効率の両立を図るのが目的だ。
箱根ロープウェイは、早雲山駅から桃源台駅までを結び、標高1000メートル近い山岳地帯を運行する(写真1)。空中に張ったワイヤーロープで車両を運ぶ索道であるため、風速の変化が運行に大きく影響する。強風時には、減速運転や運休の判断が必要になり、風況を正確に見極める運行管理が欠かせない。
そこで新たな仕組みでは、過去の風速計観測値と気象予報データを組み合わせ、風速計地点の最大瞬間風速を1時間ごとにAI技術で分析・予測する(図1)。平常運行から運休判断までを、レベルAからDの4段階で示す規制レベルも3時間ごとに予測する。
さらに、特定地点において、一定以上の風速が発生する確率も予測対象に加えた。例えば「20メートル毎秒を超える風速が発生する確率は76.2%」といった形で、運休判断に直結するリスクを数値化する(図2)。予測は最大36時間先までを対象とし、1時間単位で算出したデータを定期的に更新する。
確率予測では、気象予測の初期条件に微小な差異を加えたシミュレーションを複数実行し、結果のバラツキから不確実性を捉える「アンサンブル予測」を採用している。現在は、線状降水帯や台風進路など、防災分野の気象予測で広く使われており、索道への適用事例は日本初だという。
小田急箱根は今後、気圧観測データや強風の継続時間データなどを取り込み、運行判断の精度をさらに高めていく。また、設備に氷や霜の付着する着氷霜の発生予測にも取り組み、さらなる安全運行を目指すとしている。
予測のためのサービスには、日本気象協会が提供する「AI強風予測」と「AI暴風確率予測」を採用した。運行判断の結果を、利用客に対してはWebサービスまたはPDF形式の予測帳票のメール配信で情報提供する。
| 企業/組織名 | 小田急箱根 |
| 業種 | 交通 |
| 地域 | 早雲山駅〜桃源台駅(箱根ロープウェイ) |
| 課題 | 強風によるロープウェイ運休リスクを事前に把握し、安全性を確保しながら運行判断の精度を高めたい |
| 解決の仕組み | 過去の風速観測値と気象予報データをAI技術で分析し、最大瞬間風速や一定風速を超える確率を予測することで、運休・再開判断につなげる仕組みを構築する |
| 推進母体/体制 | 小田急箱根、日本気象協会 |
| 活用しているデータ | 風速計観測値(最大瞬間風速)、気象予報データ、風速発生確率データ |
| 採用している製品/サービス/技術 | 「AI強風予測」(日本気象協会製)、「AI暴風確率予測」(同) |
| 稼働時期 | -- |


