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古河電工、全社データの横断利用に向け仮想化技術を使う統合基盤を本格稼働

DIGITAL X 編集部
2026年7月15日

古河電工(古河電気工業)は、全社横断でのデータ利用に向けて仮想化技術を使うデータ統合基盤の本格稼働を始めた。各部門や業務システムに分散するデータを物理的に集約せずに論理的に統合し、経営判断や業務に必要な情報を得る。データ統合基盤を提供した米Denodo Technologies日本法人が2026年6月30日に発表した。

 古河電工(古河電気工業)が本格稼働しているのは、全社データを横断利用するための統合基盤。部門や業務システムごとに分散するデータを横断的に利用し、経営判断や業務で必要な情報を得るのが目的だ。

 統合基盤では、データを物理的に集約するのではなく、各業務システムのデータを仮想的に統合するデータファブリック(Data Fabric)技術を採用した。データの重複管理や大規模なデータ移行のコストを抑えつつ、利用者がデータの保存場所を意識することなく参照できるようにしている。

 併せてデータ提供の仕組みも見直し、利用部門が接続許可を取得すれば最短30分でデータを利用できる運用に改めた。従来はシステム部門へ論理的なデータ定義である「データビュー」作成を依頼すると約3カ月を要していた。

 利用者層では現在、経営ダッシュボードの利用者が100名を超え、経理データの活用などを含めると延べ500名ほどが利用しているという。2026年度は「量」「質」「定着」を重点テーマにして、利用データの拡充やデータ統合をさらに進める。

 今後は、国内外の関係会社にも展開し、グループでデータ活用を進める計画である。関係会社の統廃合に際して既に、72種類のデータを統合基盤を通じて提供した。物理統合方式と比較して、約8分の1の工数でデータ統合を完了したという。

 データ統合基盤は「Denodo Platform」(米Denodo Technologies製)を採用した。データべースとの接続性に優れることに加え、クラウドストレージとして利用する「Box」(米Box製)と無制限で接続できる点を評価。Boxで管理する文書などの非構造化データを横断的に利用するケースも増えているとする。

 データ統合は当初、クラウド基盤「Azure」(米Microsoft製)により物理的に統合してきた。同社システムDX推進室はデータ量や連携対象に限界があると判断し、約2カ月間のPoC(Proof of Concept:概念実証)を経て、Denodo Platformの2026年1月に本番稼働を始めた。

 古河電工は従来、経理、営業、購買などの各部門が個別にシステムを管理してきた。経営層へ提供する情報は速報性に欠け、実際の事業状況との乖離が発生していた。新入社員や中途採用者などがデータの所在が分からず、データを活用できる社員との情報格差も生まれていた。

デジタル変革(DX)への取り組み内容
企業/組織名古河電気工業
業種製造
地域東京都千代田区(本社)
課題部門ごとに分散・サイロ化したデータを全社で利用し、経営判断や業務に必要な情報を迅速に提供するとともに、社内の情報格差を解消する
解決の仕組みデータファブリック技術を用いたデータ統合基盤を構築し、データを物理的に集約せず論理的に統合して複数システムのデータを横断利用する
推進母体/体制古河電気工業、米Denodo Technologies日本法人
活用しているデータ経理、営業、購買など各業務システムのデータ、およびクラウドストレージ上の文書データ
採用している製品/サービス/技術データ統合基盤「Denodo Platform」(米Denodo Technologies製)、クラウドストレージ「Box」(米Box製)
稼働時期2026年1月