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京王電鉄バスと京王バス、車内事故防止に向けて乗客の転倒兆候を検知するAIシステムを運用開始

DIGITAL X 編集部
2026年9月1日

京王電鉄バスおよび京王バスは、乗客の転倒につながりかねない危険な兆候をAI(人工知能)技術で検知し乗務員に知らせるシステムを、両社が運行する路線バスで2026年8月下旬から運用開始している。発車前や走行中における車内事故のリスクを低減するとともに、輸送サービスの安全・安心の向上を図る。京王電鉄バスが2026年8月21日に発表した。

 京王電鉄バスと京王バスが2026年8月下旬から運用開始しているのは、路線バスの乗客の転倒につながりかねない危険な兆候をAI(人工知能)技術で捉えて乗務員に知らせるシステム。乗務員の安全確認業務を支援するとともに、発車前や走行中における車内事故のリスクを低減し、輸送サービスの安全・安心を高めるのが目的だ。

 システムの運用対象路線は、調布駅北口と三鷹駅南口を結ぶ「鷹66」系統、調布駅北口と深大寺を結ぶ「調34」系統、多摩川住宅循環の「調11」「調12」「調41」の5路線。対象車両は調布営業所所管のL21604(多摩200または3057)となる。

 新システムでは、車内前方と中程に設置したカメラの映像をAI解析し、認識した乗客の姿勢や動きから転倒につながるおそれのある状況をリアルタイムで判定・検知する(図1)。具体的には走行中に移動している乗客や、つり革・手すりから手を離している乗客などである。

図1:乗客の転倒につながる兆候を検知するシステムの概要

 危険と判断した場合には、画面表示と音声によって乗務員に通知する。同時に、運転席の後ろに設置した車内モニターを通じて、乗客本人に着席やつり革・手すりの利用を呼び掛ける(写真1)。

写真1:運転席の後ろに設置したモニター画面で乗客に危険を知らせる

 システムは、日野自動車が提供する「AI搭載型車内事故防止システム」を採用した。京王電鉄バスは2026年9月7日から10月2日に、日本バス協会が主催する「AI搭載型乗合バス車内事故防止システム」の効果検証のための実証実験にも日野自動車と共に参加し、システムの本格運用に向けた検証を進めていく。

 路線バスでは発車時や減速時に車両が大きく揺れる場面が多く、体勢を保持できていない乗客が転倒・負傷する事故が発生することがある。国土交通省が策定した中期計画「事業用自動車総合安全プラン2030」では、車内事故件数の削減を数値目標として掲げるなど、車内事故防止がバス業界全体の課題となっている。

デジタル変革(DX)への取り組み内容
企業/組織名京王電鉄バス
業種交通
地域東京都府中市(本社)
課題バス車内での乗客の転倒事故を防ぎ、安全・安心な輸送サービスを提供したい
解決の仕組み車内カメラの映像をAI技術で解析して乗客の転倒につながるおそれのある状況を検知し、危険と判断した際に乗務員に通知するシステムを導入する。車内モニターを通じて乗客本人にも着席やつり革・手すりの利用を促して注意喚起を図る
推進母体/体制京王電鉄バス、京王バス、日本バス協会、日野自動車
活用しているデータ車内カメラが撮影した映像と乗客の姿勢・動きの情報
採用している製品/サービス/技術「 AI搭載型車内事故防止システム」(日野自動車製)
稼働時期2026年8月下旬(対象車両1台での運用開始)